――本局を振り返っていかがでしたか
「あまり前例のない形になって、何をやったらいいのかよくわかりませんでした。中盤は少し苦しくしてしまった気がします。終盤に入って(53手目の▲7七桂のあたりで)駒が使えて来たので行けそうになったかなと」
――これで挑戦が決まりましたが、今期の戦いを振り返っていかがでしたか
「これまで二次予選にも進んだことがなかったので、自分でもビックリしていますが、とても嬉しいです」
――初めての番勝負を羽生棋聖と戦います
「タイトル戦で戦うことは、小さいころからの夢であり、棋士になってからの目標でしたので、(夢と目標が)一つ達成できたことは嬉しいです。プロを目指したキッカケが、羽生先生と同じ将棋クラブに通って、羽生先生に憧れたことでしたので、(羽生棋聖と)番勝負を戦えることはとても嬉しく思います」
――五番勝負に向けての意気込みはいかがでしょうか
「いまのままでは実力が全然不足していると思いますので、番勝負まで短い時間ですが、精一杯勉強して少しでも見ごたえのある戦いにしたいと思います」
――(本局を振り返って)中盤は控え室では形勢がいいと見られていましたが
「(形勢がいいという)実感は全然なくて、ずっと難しいと思っていました。(玉の)コビンが開くなど形が悪かったので、(32手目△6四歩が)無理な動きだったかもしれません」
(八雲)
第83期棋聖戦挑戦者決定戦は、75手まで中村太地五段の勝ちとなりました。終局は18時32分、消費時間は▲中村3時間32分、△深浦3時間36分。
中村五段は初のタイトル挑戦。昇段規定により六段に昇段しました。
図の局面で深浦九段が考えています。
控え室では先手勝勢と見て、検討が打ち切られてます。
「これは粘りが利かないように見えます」
「投げてもおかしくないですね」
そんな声があがっていますが、深浦九段は諦めずに考えています。
「局面は相当望みがありません。しかし、その状況で闘志を切らさずに考え続けることができることが凄い。一流棋士の証です」(中村修九段)
18時5分、図から△6二飛と進み、消費時間は▲中村3時間17分、△深浦3時間30分。
(八雲)
図は17時45分頃の局面。
控え室の評判は先手良しでハッキリしてきました。すでに決め手を探している状況です。
3期連続挑戦に黄信号の灯った深浦九段。もう粘る順はないのでしょうか。
(八雲)
図は先手が飛車取りに▲8三角と打ち△6四飛とかわしたところ。
控え室ではここで次の手が見えないと言われています。
形勢判断はまだ下されていないものの、先手の指し手が難しくなっているのは間違いないようです。
(八雲)