■羽生善治棋聖
――本局を振り返って。
羽生 早く角と銀を持ち合う形になったんですが、そのあとお互いに動きづらい局面が続いて、△5四銀と上がられてみると模様が悪いような感じがしました。
――△5四銀の手前までは構想に沿っていたのでしょうか。
羽生 似た実戦はあったんですけど、△3一玉から△5四銀の組み合わせは気がつかなかったですね。
――勝ちを意識したのは。
羽生 ▲4三桂を見つけて。
――第3局に向けての抱負をお願いします。
羽生 いいコンディションで次局を迎えられればと思います。
■豊島将之八段
――本日、一局を振り返って。
豊島 最後でうっかりが出てしまったので、よくなかったと思います。△4八銀がよくなかったので、△4二銀打と打って、飛車を殺して長期戦にすれば、ちょっと悪いかもしれないですけど、まだ長かったので。
――△4八銀と打ってから「△4二銀打とすればよかった」という感じだったのでしょうか。
豊島 △4二銀打と初めから打つつもりだったんですけど、考えているうちに……。△4八銀は危ない手だと思ったんですが、うっかりがあったので。
――これで1勝1敗になりましたが、次局に向けて。
豊島 切り替えて頑張りたいと思います。
(文)
81手で羽生棋聖が制しました。終局時刻は18時14分。消費時間は、▲羽生3時間30分、△豊島3時間55分。シリーズ成績は1勝1敗になりました。第3局は6月30日(土)静岡県沼津市「沼津倶楽部」で行われます。
(吟)
ここまでの流れを振り返ります。羽生棋聖の先手で始まった第2局は、角換わり模様の立ち上がりから豊島八段が△4四歩(10手目)と角道を止めて、雁木模様になりました。
ツノ銀雁木から腰掛け銀に構えた後手陣に対して、羽生棋聖が4筋から▲4五歩(29手目)と仕掛けます。以下△同歩▲2二角成△同金▲4五銀△同銀▲同飛と進んで、それぞれ角と銀を手持ちにしました。
流れが変わったのは昼食休憩明け。豊島八段が守りの銀を出たところで、羽生棋聖が▲7一角(47手目)と打って決戦に突入しました。控室で棋譜を並べていた高見叡王は、「先手が望んでこういう戦いにしましたね」と話します。
駒の取り合いから激しい流れになっていますが、控室の検討陣は「後手がやれそう」との見解。高見叡王は「後手が角銀銀と持っていることが大きいように思います」と話していました。
(文)