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第84期棋聖戦五番勝負第4局

2013年7月18日 (木)

羽生善治棋聖、防衛インタビュー

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013_2―― 羽生棋聖、防衛おめでとうございます。
羽生 ありがとうございます。
―― 昨日はよくお休みになられましたでしょうか。
羽生 ええ、温泉に入って。
―― 勝利のご報告は。
羽生 いや、知ってたみたいで。(中継を見て? との質問に)中継を見ているわけではないんですけど、連絡する人がいるみたいです。
―― ご自身でもご報告はされた?
羽生 はい、メールをしました。
―― それに対して奥様はどういうご返事を?
羽生 まあ「お疲れさまでした」という。
―― 棋聖位6連覇となりました。実感はいかがでしょうか。
羽生 6連覇、という感覚はあまりないですね。一年一年やっていくなかでこういうことがあって、6年経っていたのかな、ということですかね。
―― 今回は三冠対決ということでも話題になりました。
羽生 そうですね。今まで数多くタイトル戦はやってますけど、自分自身にとっても初めてのことだったので、どうなるかなあと思っていました。
―― 緊張はありましたでしょうか。
羽生 渡辺さんは今年に入って非常に波に乗っているなかでのシリーズだったので、かなり大変なんじゃないかなあと思っていました。
―― 今回のシリーズは3勝1敗での防衛でしたが、結果についてはいかがでしょうか。
羽生 そうですね。いい結果が出せてよかったなあというふうに思っています。

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2013年7月17日 (水)

五番勝負は防衛で決着

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(本局の棋譜)

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感想戦

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終局直後

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■羽生善治棋聖
―― 本局は横歩取りになりました。
羽生 今日はこれでいこうかなあと思っていました。似たような形はやったことがありますが、同じ形はないので手将棋のような展開になりました。
―― 1筋から突くのが多いところ、9筋から突いたのは珍しい展開でしたが。
羽生 どっちも価値の高い手なのでどちらがいいかはわからなかったですね。
―― やってみたかった?
羽生 そうですね。
―― どのあたりで有利を意識されましたか。
羽生 △4七金(82手目)と桂取ったあとに金を寄って、駒得で先手取れたので、ちょっとよくなったかなと思いました。
―― 勝ちと思われたところは。
羽生 △3七角(96手目)と打って。ええ。
―― これで棋聖位を防衛してタイトル通算84期です。一年でプラス3期されたんですが、あと16期足せば100の大台に乗ります。自分で近づいたな、とかそういった実感はありますか。
羽生 いや、まあ、記録のことはあまり考えないで指しているので、あんまりよくわからないですね。
ーー 初の三冠対決を制しました。
羽生 初めてのことなので、どんなシリーズになるか緊張感を持って臨みました。結果が出せてよかったです。

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■渡辺明竜王
―― 渡辺さん、残念な結果になりましたが、今日を振り返っていただいていかがでしょうか。
渡辺 そうですね。馬作られたあとがちょっと指しにくかったので、そのあたりで形勢を損ねたような気がします。
―― 馬を作られてもやれるという読みだったのでしょうか。
渡辺 歩が多いのでやれると思ったんですけど。馬作られたあとにあまりいい手がなかったですね。
―― そのあとはいかがでしたか。
渡辺 うーん……△4六金(72手目)打たれてちょっと手がなかったので、そこで悪いような気がしました。
―― シリーズを振り返られていかがでしょうか。
渡辺 まあ、仕方ないですね。

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羽生棋聖が勝って防衛決める

Kisei201307170101100第84期棋聖戦第4局は、100手まで羽生棋聖の勝ちとなりました。終局は17時53分。消費時間は▲渡辺3時間47分、△羽生3時間12分。
初の三冠対決として注目された五番勝負は、3勝1敗で羽生棋聖に軍配が上がりました。

防衛間近か

Kifu_96渡辺竜王は懸命に後手玉に迫るが、羽生棋聖は冷静に対応している。駒割りは後手の金桂桂得と圧倒的な差がついた。17時30分、控室は終局近しの雰囲気。

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三浦八段に聞く

副立会人の三浦八段は、1996年に行われた第67期棋聖戦五番勝負第5局で羽生善治七冠に勝ち棋聖位を奪取している。その歴史的な対局もここ高島屋で行われていた。その当時の話を三浦八段に聞いた。
「とにかく報道陣の数がすごかったですね。当時は対局に集中していたので余裕がなくあまり細かく覚えてはいないのですが、女将さんが優しい方だったことは記憶に残っています。そのあと副立会でまた来ているのですが(2004年の第75期五番勝負)、雰囲気がよく露天風呂が付いている部屋もあり、改めて素晴らしい場所だと感じました」

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三枚換え

Kifu_81_2渡辺竜王は▲7七桂(図)と跳ねて玉の逃げ道を作った。しかし現状は▲角△金銀桂の三枚換えで先手が大きな駒損だ。一度駒損になってしまうと戦力差がつくため、長引くとどんどん差が広がるのが一般的なケース。先手は決戦を挑んでどこかに突破口を求める必要があるが、その手段はあるか。

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(解説会には戸辺六段が急遽登場)

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「先手苦しい」の声

解説会場では解説役が三浦八段から屋敷九段にバトンタッチ。「先手が苦しいのでどう勝負するかというところです」と話していた。控室でも「先手苦しい」の声が出ている。渡辺竜王にうまい手段はあるだろうか。

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羽生棋聖、決めに出る

Kifu_63渡辺竜王が▲5六歩(図)と受けた手に対し、羽生棋聖が長考している。ゆっくりしていると先手は▲7七銀~▲7九玉とどんどん形がよくなるので、後手としては決めにいきたい局面だ。15時35分過ぎ、羽生棋聖は△5六同馬を着手。堅さを生かして踏み込んでいった。以下▲5八飛△4七馬▲同銀と進んで後手は駒損だが、先手玉が露出しているためあらゆる攻めの当たりが厳しくなっている。

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