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第91期棋聖戦五番勝負第3局

2020年7月 9日 (木)

第4局は7月16日(木)に対局

五番勝負第3局は渡辺棋聖が制し、1勝目を挙げました。第4局は、1週間後の7月16日(木)に関西将棋会館で指されます。本日はご観戦いただき、ありがとうございました。

Dsc_24321 (渡辺棋聖。この1勝が反撃の狼煙となるか)

(睡蓮)

感想戦

Dsc_23631 (厳しく攻めて1勝目を挙げた渡辺棋聖)

Dsc_24441 (藤井七段はタイトル戦での初黒星となった)

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(睡蓮)

藤井七段インタビュー

産経新聞(以下、産経) 本局は先手番でした。第1局と第2局は矢倉でしたが、今回は得意の角換わり腰掛け銀でいこうと思われていたのでしょうか。

藤井 そうですね。角換わりから腰掛け銀にしようと思っていました。

産経 開始からどんどん指し手が進みましたが、藤井七段としても研究範囲だったということでしょうか。

藤井 そうですね。途中まで考えたことのある局面でしたが、こちらの玉形が見慣れない形になって、うまくまとめられませんでした。

産経 どの辺りまでが想定の範囲内だったのでしょうか。

藤井 △9九角成(82手目)に▲7七桂で難しいイメージでしたが、△9九飛(90手目)と打たれて対応が分かりませんでした。そのあとにいくつかミスが出てしまったと思います。

産経 タイトル戦初黒星となりました。

藤井 今日の内容を反省して、次につなげたいと思います。第4局がまたすぐにあるので、いい状態で臨めるようにしたいです。

東京将棋記者会(以下、記者会) 大長考で▲9八銀(91手目)とされたところは、どのようなことを読んでいたのでしょうか。

藤井 (前手の)△9九飛が読みにない手で、形勢としてはいい勝負かと思ったんですけど、端玉であまりない形なので、そのあとはちょっとまとめ方が分からなかったです。

記者会 2勝0敗で迎えた本局でしたが、どのような心境で臨まれましたか。いつもと同じように指せたでしょうか。

藤井 自分としては普段通り臨めたかなと。途中で何回かミスが出てしまったのは、実力かなと思います。

(睡蓮)

渡辺棋聖インタビュー

産経新聞(以下、産経) 本局は後手番でした。藤井七段の角換わり腰掛け銀を想定して準備してこられましたか。

渡辺 そうですね。予定の本命というか。

産経 昼食休憩までに76手と、早いペースで進みました。どの辺りまで研究だったのでしょうか。

渡辺 そうですね。午前中はもちろん、予定の範囲内でした。ただ、そのあとは先手の手も広いので。△9九飛(90手目)くらいまでは考えたことがあったんですけど、変化が多いのであんまりきちんとは。

産経 △9九飛に▲9八銀と打たせて△6七馬としたところの手応えはいかがでしたか。

渡辺 合駒なら馬を逃げてという予定でやっていたので。

産経 やれるという感触があったのはどこでしょうか。

渡辺 △7八馬(112手目)と入ったところは指しやすいと思ったんですけど、終盤は読んでいない手がいっぱいあったので。

産経 次局の抱負をお願いします。

渡辺 とりあえず一つしのぐことができたので。依然としてカド番ですけど、この勢いで頑張れればいいかなと思います。

東京将棋記者会(以下、記者会) 本局は0勝2敗のスコアで迎えた大一番でした。どのような心境で臨まれましたか。プレッシャーを感じる部分はありましたか。

渡辺 状況が苦しかったので、開き直ってというか、思い切っていこうかなと。決めていたところはどんどん指そうと思っていました。

記者会 本局の勝利はご自身にとってどういう勝利だったでしょうか。

渡辺 作戦が当たったところはあるので、勝ち方の部類ではいいものではないでしょうけど、カド番で贅沢をいえる状況ではなかったので。結果に満足して次に向かいたいと思います。

記者会 終盤は慎重に指し進められました。

渡辺 想定を外れたところからいきなり終盤戦なので。時間がないと分が悪いなと思っていたので、そういう方針で進めていました。最後はちょっと上に逃げられるのをうっかりしてたんですけど、時間があったので冷静になれました。

(睡蓮)

渡辺棋聖制勝

20200709a_2

渡辺明棋聖に藤井聡太七段が挑戦する第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第3局は、19時12分に142手で渡辺棋聖の勝ちとなりました。消費時間は▲藤井聡3時間59分、△渡辺明3時間47分。渡辺棋聖がカド番をしのぎ、五番勝負は渡辺1勝、藤井2勝となりました。
第4局は7月16日に大阪市「関西将棋会館」で指されます。(銀杏)

渡辺棋聖が優位に立つ

20200709q図は18時25分頃の局面。後手が馬を6七から7八に入って、△9六歩▲8六玉△8七馬以下の詰めろをかけたところです。控室の形勢判断は後手はっきり優勢。次の▲9四歩で、藤井七段は一分将棋に入りました。

Dsc_22011 (渡辺棋聖)

(睡蓮)

まだまだ激戦

20200709n図は17時40分頃の局面。銀を取って△8五桂の王手に▲8五同桂と応じたところです。控室ではここで△7七銀が厳しいので▲8五同桂では▲8六玉とするだろうと見られていましたが、改めて検討してみると、△7七銀に▲4三成銀△4二歩▲3二成銀△同玉▲4四桂△2三玉まで決めてから▲7七金(変化図)と質駒を取る順が利くことが分かりました。以下△7七同馬は、▲3五桂から後手玉が詰みます。どこまでいっても難しい終盤戦のようです。藤井七段の残り時間は3分になっています。

20200709o

Dsc_23261 (渡辺棋聖)

(睡蓮)

藤井七段、残り8分

20200709m図は16時50分頃の局面。先手の藤井七段が残り17分から9分を割いて▲9四桂と受けたところです。受けに回るなら▲7三角成が自然に見えるところでしたが、それは△7六馬が嫌だったのかもしません。▲9四桂を見た鈴木九段は、藤井七段は自分がよいとは思っていないのではないかと話しています。残り時間は▲藤井8分、△渡辺1時間58分。

Dsc_23051 (藤井七段)

(睡蓮)

和田倉噴水公園

Dsc_1907 (皇居外苑内にある和田倉噴水公園。ビル群を背景に、水と緑の空間が保たれている)

Dsc_1913 (上皇陛下のご結婚を記念して1961年〈昭和36年〉に創建された大噴水)

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Dsc_1944

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Dsc_1963 (公園のすぐ近くには東京駅)

(睡蓮)

皇居外苑

都市センターホテルのすぐ東側には、皇居(旧江戸城)の広大な敷地があります。皇居外苑を歩いてみました。

Dsc_1826 (1860年〈安政7年〉の大老・井伊直弼暗殺事件〈桜田門外の変〉でよく知られる桜田門)

Dsc_1834 (門を潜って振り返ると、国会議事堂の姿が)

Dsc_1844 (進んだ先では、石垣越しに丸の内のビル群が望める)

Dsc_1851 (堀では白鳥が泳いでいた)

Dsc_1862 (左手にある門が皇居正門。奥に見える鉄橋は有名な二重橋)

Dsc_1883 (二重橋を別角度から)

Dsc_1874 (外苑の中央には、広い道路が通っている〈内堀通り〉)

Dsc_1878 (建武中興時に後醍醐天皇に忠誠を尽くした楠木正成の銅像。明治時代に作られた)

(睡蓮)

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