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2023年7月18日 (火)

終局直後

Img_1338 終局直後の様子。

Img_1360 インタビューに答える藤井聡棋聖。

【藤井聡棋聖の談話】
――相掛かりとなりましたが、午前中の戦いはいかがでしたか。
「▲2四歩と合わせて積極的に動かれる展開になって。それに対して、どう対処するかがわからなくて。ちょっと本譜は、思わしくない展開にしてしまったかなと思っていました」

――△8五飛(26手目)に25分使いました。その辺りはいかがでしたか。
「△8二飛と引いても▲2四歩と合わされそうかなと思っていて。△8五飛は▲3四飛のときに△2五飛と回る手を見せてどうかとは思ったのですが。ただ、それで本譜はやっぱり▲3六歩から▲3七桂と跳ねられて見ると、ちょっとその間になかなかこちらがいい陣形を作ることが難しかったかなという気がしています」

――午後に入って攻め合う形になって、(2六香と飛車を取らず)△8七歩成(74手目)としたあたりはいかがでしたか。
「基本的にずっと苦しいかなと思っていたのですけど。△2六香と飛車を取ると▲5五桂から▲9二飛と迫られたときに、ちょっと受けが難しい形かなと思っていたので。本譜もちょっと後手後手になりそうかなと思っていたんですが、手を渡して勝負しようかなと思いました」

――終盤、勝ちが見えたのはどのあたりでしたか。
「△6八と(82手目)と寄って、手順にこちらの玉の詰めろを解除する形になったので、少し勝てそうなのかなと感じていました」

―― 一局を総括していかがでしたか。
「序盤から少しこちらが苦しい態勢を強いられてしまったかなと感じているので。その辺り、課題が残ったかなと感じています」

――20歳最後の対局を白星で飾られたことについてはいかがでしたか。
「そのことを特別意識していたわけではなかったですけど、最後まで集中して指せたのはよかったかなと思っています」

――これで棋聖戦4連覇を達成し、8冠制覇にも近づきました。その辺に向けてのお気持ちを聞かせてください。
「まずは防衛できたことは嬉しく思っています。ただ、防衛戦の内容的には厳しくなっているのかなとも思うので。来期にはなんとか実力を高めて、このシリーズを迎えられるようにできればと思います。今回防衛できましたけど、まだ王位戦のシリーズも続いていますし、王座戦では来月に挑戦者決定戦があるので。今後もしっかりコンディションを整えて、よい将棋が指せるように頑張っていきたいと思います」

Img_1371 インタビューに答える佐々木大七段。

【佐々木大七段の談話】
――本局は先手番ということで相掛かりを選択されました。序盤の構想等はいかがでしたか。
「△5二玉(10手目)に対して、本譜の順はやってみようかなというところで。常に▲2四歩から、再度合わせて歩を取ったり、軽く動くような作戦だったんですけど。▲9七桂(39手目)の成否も含めて、非常に難しい局面が続いたかなと思います」

――流れとしては指しやすい感じで指されていたのか、それともちょっとという感じだったのでしょうか。
「難しいなと思っていましたね。ちょっと9七桂が負担になっていたので。ただ、少し先手の利を生かせるような順もありそうだったので。ちょっと中終盤に大きく間違えたような気がします」

――今シリーズを振り返っていかがですか。
「初挑戦ということで、海外対局も含めて、いろいろと初めて経験することが多かったのですが。非常に勉強になりましたし、自分の将棋はある程度は指せたかなとは思っています」

――棋聖戦ではタイトル奪取はできませんでしたが、次の王位戦もありますけれども。その辺を含めて、今後のお気持ちを聞かせてください。
「今回の棋聖戦も含めて、タイトル戦をこの夏はずっと指させていただいているので。いい将棋を指せるように、精一杯頑張るしかないなと思います」

Img_1380 インタビュー後、両者は大盤解説会場で挨拶をしました。

※両者の談話は後ほど更新します。
(八雲)

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