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前の記事で紹介した詰将棋に、余詰があることが発覚。北浜七段は「うーん、そうですねえ。余詰みますねえ。角がないとダメですねえ」。とぼとぼ控え室を出ていくと、色紙の後を追っていった。 それからしばらくして、鈴木女流初段が来訪した場面。棋譜を並べていた鈴木女流初段が異変に気づく。自分の手首を見て「黒い……」。どうやら北浜七段がサイン色紙をせっせと製作しているときにこぼした墨が、テーブルについていたようである。不覚の北浜七段。
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図は11時前の局面。先手は8七銀+7八金の銀冠に組んでいるのがひとつのポイントで、7七銀+7八金の矢倉に比べて堅い。矢倉の弱点は、後手の桂馬が跳ねてくる展開になったとき、7七の銀が当たりになること。銀冠にはそれがない分、矢倉に比べて耐久力があるのだ。すっきりまとまった先手陣に比べると、後手はこれからの駒組みに苦労する可能性がある。陣形の差がひとつのポイントになりそうだ。
鈴木女流初段が控え室にやってきた。室田女流初段の横に座ると、「棋譜を貸してください!」とさっそく棋譜並べ。
(鈴木女流初段(左)、室田女流初段(右))
対局室の天井にはカメラとマイクが設置され、控え室のモニタに盤面と音を同時に伝える。
(羽生棋聖が着手する瞬間。10時35分ごろの映像)
午前のおやつは10時半に対局室に運ばれる。メニューは両対局者とも同じで、「シュークリーム、フルーツ、ホットコーヒー」。
村田顕四段も控え室を訪れ、しげしげと色紙を見つめる。詰将棋があると吸い寄せらてしまうのが、悲しいかな棋士の習性。部屋の一部は詰将棋解答大会の様相を呈している。ブログをご覧のあなたも挑戦してみてはいかがだろうか?
(北浜七段(左)、室田女流初段(中央)、村田顕四段(右))
控え室にやってきた室田女流初段。北浜七段が色紙に揮毫する様子をじーっと見つめている。記者がカメラを向けて「どうぞ」と色紙を指すと、「えっ、ちょっと待ってください」と慌てた素振りを見せてから、「こうやってこうやってこう、ですよね」。横目で見ていた北浜七段、「瞬殺されましたね……」とポツリ。
(室田女流初段の、こうやってこうやってこう、の図)
(盤面を映すモニタもチェック)