2023年11月10日 (金)

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里見女流王座が角を目標にして攻め、△8九歩成(106手目)で角が取れる形になりました。後手は角を取れば駒得になり、先手は貯金を失います。依然として竜の働きは後手に分があり、加藤女流四段は主張の少ない展開になっています。数少ない急所である端を狙ってどうか。実戦は▲1四竜△2四歩▲9四歩△8四歩▲9六香△8二玉と進みました。

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加藤女流四段が端に集中砲火を加えて突破できる形になりました。中川八段は「△8四歩が損な手で、加藤さんがまた少し盛り返しましたね」と話します。「2人とも残り時間が少なくなって混戦です。悪い手ばかりたくさんあるような状況で、最善じゃなくても悪い手を指さないような粘り強さが必要ですね」。先の長い戦いになるか、どちらかが踏み外して差がつくか。スリリングな展開になっています。

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加藤女流四段が端攻めでポイントを稼ぎ、里見女流王座が粘りの姿勢に出て長期戦の様相を呈してきました。上図から▲2二歩△9四歩▲同香△8五歩▲9二歩成△8三玉▲8五桂△9四竜として、竜の横利きで端からの逆襲を狙うのが検討で有力視されていた順。竜の働きの差が顕著です。斎藤明五段は「振り飛車が勝ちやすくなった気がします」と話します。里見女流王座が苦しい形勢を盛り返しつつあるようです。

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控室の継ぎ盤が盛り上がっていました。上図から▲4二角成△同金▲同竜と2枚換えで踏み込む順があります。突き詰めれば先手勝ちの結論も出そうなだけに、検討にも熱が入ります。加藤女流四段は残り時間に余裕があり、直線的な変化を読む余裕もあります。長考になるかと思われましたが、加藤女流四段は少考で▲7七桂と指しました。決戦ではなく、端攻めを狙ってじっくりと優位を目指そうという方針です。里見女流王座は残り34分と余裕がありません。中川八段は「端攻めの対応が難しく、居飛車がいいと思います」と話しています。

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里見女流王座が△2四飛(54手目)と飛車をぶつけて激しい流れになりました。以下▲2四同飛△同角▲5九金△2九飛▲1七香△2八飛成▲1一飛△1三香が興味深い進行です。

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斎藤明五段は加藤女流四段が指した▲5九金~▲1七香に「いい手だ」と感嘆。金銀の連結を強化しながら守備範囲を広げて△4九飛を消し、じっと香を逃げるのは渋い手順です。たとえ香を取られても竜の位置が悪くなることを見越しています。里見女流王座も△1三香(62手目)と逃げ、▲2五歩には△同桂▲同桂△1七竜を用意しました。互いに香を大事にする味わい深い手順に、武富女流初段は「香が王様だ」と驚いています。

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