両者一分将棋に 里見女流王座が▲4四金(161手目)の考慮中に一分将棋に入りました。加藤女流三段はすでに一分将棋に入っています。形勢について菅井八段に尋ねると「形勢とかないです。根性です」との答えが返ってきました。長手数指してどちらが勝ちか見えてきません。大熱戦です。
猛追 里見女流王座が勝負手を連発して猛烈な追い上げを見せています。象徴的だったのは▲3五銀(129手目)の局面。後手からは△5八との踏み込み、△3五同銀▲同桂△4六角の王手桂取りなど有力な順がいくつも見えました。実戦は△2三銀引で後手がひるんだ格好になり、控室では「通った!」と声が上がりました。 手が進んで▲3四金(141手目)で△3二金から金銀打ち替えの千日手が見えてきました。千日手になれば里見女流王座が窮地をしのいだ格好になります。
加藤女流三段がリード広げる 里見女流王座が粘りに出ていますが、加藤女流三段が厚みを武器にじわじわとリードを広げています。図は先手陣の桂2枚が不屈の闘志を感じさせる配置。しかし後手からの攻めがわかりやすく、残り時間が少なくても間違えにくい状況になってきました。そういった意味では加藤女流三段の戦い方が冷静かつ巧みだったともいえます。里見女流王座はどうにかして勝負形に持ち込みたいところです。
時間切迫 互いに残り時間が30分を切って指し手のペースが徐々に上がっています。加藤女流三段が△4四銀打(82手目)と手厚く打った局面は後手の銀得。物量の差で後手よしです。ただ、里見女流王座も容易には引き下がりません。 駒割りは角桂交換の駒損と依然として先手は厳しい状況ですが、玉の堅さを維持して長期戦に引き込み、逆転のチャンスをうかがいます。実戦的な指し回しです。形勢よしと見られている加藤女流三段ですが、残り時間は10分。余裕はないかもしれません。