2024年7月19日 (金)

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図の局面で西山女流三冠が20分以上の時間を使っています。△4七歩成に対して攻め合い勝ちできるよう攻める組み立てがあれば、先手が勝てそうだといわれています。具体的な手順には▲4三金△2二金▲1四歩が一例。ほかの攻め筋も豊富にあり、迷う場面と思われます。

013_800_2 (西山女流三冠に勝ち筋がありそう。どう攻めるか)

6714時過ぎ、図の▲1三歩成で先手好調といった雰囲気になってきました。先手陣は薄く反動がきついものの、自然な攻めで後手陣の守りをはがしていけそうです。玉形が五分になれば、主導権を持って攻めていける先手が指しやすくなります。

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(西山女流三冠が急所に襲い掛かる)

020_800 (宮澤女流1級は6四銀・7三桂を働かせる余裕がなさそう)

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先手の西山女流三冠は2八にいた銀を4六に進めて厚みを作る異端の構想。玉の薄さを代償に、主導権を奪う力強い指し方です。後手の宮澤女流1級は6二にいた銀を中央に活用。相手が押し込んできたのに対応しながら、形よく陣形整備を進めています。
ここで(1)▲5四歩△同銀▲5五歩△4五歩5四歩△4六歩▲5三歩成△4七歩成▲4三と△同金の進行はどうかと、本日、東京・将棋会館で対局立会人を務める佐藤義則九段は見ています。第一感は金得の先手がよさそうでも、継続の攻めが難しいです。

本譜は(2)▲1四歩と端に手をつけました。△同歩▲1三歩に後手の応手は複数あり、△同銀なら前述の▲5四歩△5四銀▲5五歩△4五歩の戦いに変化が起こっているか。水面下で一手争いの攻め合いが行われているようです。

013_800 (西山女流三冠は端をからめて攻めていく)