検分終了後、場所を移して前夜祭が行われました。両対局者の決意表明の前には、10月7・8日に仙台市内各所で開催された第26回みちのくYOSAKOIまつりの一般部門コンテストで優秀賞を獲得した地元のチーム「羽跳天(うちょうてん)」のパフォーマンスが会場を盛り上げました。
両対局者が対局に備えて退場してからは、棋士と女流棋士が明日の見どころについて語りました。中川八段は「第1局は大変な熱戦。加藤さんが攻めて里見さんが受けに回る、お互いの棋風が盤上に表れた好局だった。明日も加藤さんが先攻して里見さんがどう反撃するかがひとつのポイント」、斎藤明五段は「この2人のカードで加藤さんが先手番だとゴキゲン中飛車が多い。加藤さんのパンチが当たるか、里見女流王座の技が光るか。中終盤のねじり合いがすさまじいので、そこに注目している」と展開を予想。脇田女流初段は「2人とも序盤巧者。中盤から終盤にかけて抜け出すスピード感がすごく、自分が一歩一歩進むところを3歩も4歩も進んでいる」、和田あき女流二段は「2人とも一手でもゆるい手を指すと許してもらえない」と、両対局者との対局経験を踏まえて印象を語ります。進行をリードした武富女流初段は「居飛車穴熊党なので加藤桃子さんの将棋を並べている。一番の見どころはやはり終盤戦」と話しました。
株式会社リコーグラフィックコミュニケーションズ商品事業統括本部長 佐藤眞澄
「リコー杯女流王座戦を仙台で開催するのは2015年以来、8年ぶりです。明日の対局も最高レベルの戦い、熱戦になると思われますので、皆さん、期待してください。 将棋で勝つために必要な決断力、創造力はビジネスや社会でも重要です」
公益社団法人日本将棋連盟 常務理事 清水市代
「第1期の桃子ちゃんは初々しく、また若いのにしっかりしていた印象があります。今回、挑戦者になられた時の記者会見では虎視眈々とタイトルを狙っていきますとしっかり強く宣言されておりました。かわいい桃ちゃんが虎になっちゃったんだな、と。その力強さを盤上でどのように発揮してくるのか、私も大変楽しみにしております。里見女流王座は大変なスケジュールの中で、いつも泰然自若、自然体で臨まれています。その姿はこれから女流棋士を目指す少女たちにとって強い憧れになるでしょうし、里見さんの魅力はその強さとしなやかさだと思います」
仙台市長 郡和子
「おばんでございます。女流王座戦の舞台のひとつに仙台を選んでいただいたことは大変、光栄です。仙台では『将棋の日』のイベントを開催する予定でして、将棋でこの街が活気づいている状態で、ありがたく思います。子どもたちが刺激を受けて、中川大輔八段に続くプロ棋士が次々とこの仙台から誕生すること、そしてまた将棋文化が発展することにも心から期待を寄せるものでございます」
里見香奈女流王座
「仙台に対局者として来ることができてうれしく思います。明日は自分の力を出しきれるように全力を尽くしたい」
加藤桃子女流四段
「虎になりました女流棋士の加藤です。育ててくださったのは清水先生です。ありがとうございます。仙台には対局でもプライベートでも来ていて、グルメを堪能しました。今日は仙台市内を数台走っている水素タクシーの、楽天イーグルスのとある選手がご指名のタクシーに乗ることができて、対局に向けて福がついたような気持ちになりました」
リコージャパン株式会社 執行役員 宮城支社長 石下義治
「当日は『RICOH THETA』の360度の映像と大盤解説会をお楽しみいただければと思います」