(再び棋士が登壇。福山知沙さんの進行で、見どころを語る)
福崎文吾九段「3年前にお会いした方もいらっしゃって、うれしかったです。30年くらい前に羽生善治さんと王座戦のタイトル戦を岐阜でやったんです。僕が負けて、次の日に金華山を登ったんです。そしたら、羽生さんがついてきて一緒に登ったんです。いまとなっては楽しい思い出です。そのころから岐阜が好きですね」
(注:1992年に第40期王座戦第3局福崎文吾王座-羽生善治棋王戦が岐阜市の「長良川ホテル」で行われた。羽生棋王が勝って、王座を奪取。その後、羽生王座が19連覇した)
近藤正和七段「日本経済新聞に20年くらい前から観戦記を書いています。株式の新聞ですから、『下がる』とか『落ちる』といった言葉はやめようと。株式をやっている方が気分を悪くしては何ですから。10年くらい前に奨励会幹事として、里見さんが三段で、加藤さんが初段で、非常にかわいらしい方ですが、負けるとつーんと怒りを抑えきれない場面もありました。勝負事だから仕方ないなと思って見ていました。最近はふたりとも丸くなったというのも違いますが、負けても悔しさを内に秘める形にして、大人になったなと感じます。里見さんは中飛車愛が強いので、中飛車だと思います。加藤さんは美濃囲いの持久戦にいくか、急戦にいくか。ただ、ここは岐阜県だけに美濃囲いに期待したいですね」
折田翔吾五段「里見女流王座とは、関西奨励会で対局したこともあります。将棋が好きだなと感じます。加藤女流三段とはそれほど話をしたことはなかったのですが、将棋は本格居飛車党で、最近は特に研究が深い印象です。今回も相当に準備されているだろうと感じます。普段から里見女流王座の対策を考えているでしょうけど、今回は手番も決まっています」
福山さん「このふたりの対局を歌にすると、どのような歌ができそうですか」
折田五段 ♪里見加藤戦は~ 名局になる~ 可能性が高いよね~♪
(折田五段の歌に合わせて踊る福崎九段)
石本さくら女流二段「明日は大盤解説会の聞き手を務めます。里見女流王座は私がアマチュア時代からトップを走っていて、私の世代は里見女流王座に憧れて、いちばんの目標にしています。加藤女流三段はずっと里見女流王座と戦っていて、私たちからするとトップの壁が厚いなと感じます。里見女流王座が五冠でタイトルを数多く維持されているので、加藤女流三段はすごい気合で女流王座戦に臨まれていると思います。前夜祭の席が隣でしたが、気さくに話をしてくださいました。先日行われた倉敷藤花戦の大盤解説会の聞き手を担当したので、お世話になったことや防衛おめでとうございますという話をしました」
藤井奈々女流初段「タイトル戦という場は、女流棋士にとっても特別なものです。勉強と雰囲気を知りたい気持ちが強くて、女流2級のころから女流タイトル戦の記録係を立候補しています。今回は久しぶりにタイトル戦の記録係です。里見女流王座と加藤女流三段の将棋はいつも見ていますが、勉強をしたいと思います」
(中締めのあいさつ 中本宗利・リコージャパン株式会社岐阜支社長)
「リコージャパンやリコー製品をご愛顧くださり、ありがとうございます。
リコーは将棋では女流王座戦を主催、ゴルフでは女子ゴルフのリコーカップの特別協賛をしています。
岐阜支社は非常に女性が活躍する職場です。これから世の中は女性が盛り上げていると感じています。リコーも『働きに喜びを』というスローガンを掲げて、岐阜支社を中心に、岐阜県に貢献できるよう精進したいと思っています」
本日の更新は以上です。明日の対局をお楽しみに!
(書き起こし=銀杏)