2022年7月 5日 (火)

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先手が竜を作って好調の流れですが、後手もしぶとく応戦しています。後手は△8九馬~△7七とが楽しみ。桂香に加えて6八飛まで取ればあとは無人のゴールです。入玉がいよいよ見えてきます。先手も後手玉の寄せを諦めて▲1六歩と突いたら……長い戦いになりそうです。

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(生姜)

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昼食休憩から角交換になり、局面が激しくなりました。▲4一角は好点の一打です。△6二飛には▲6三角成△同飛▲8三銀△7一玉▲7四銀成△同歩▲5四金という攻め筋があります。

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先手は飛車角交換で自然に攻めが続く態勢に持ち込みました。形勢は先手がよいでしょう。しかし後手も△8四金と払って、△8八歩~△8九歩成~△7七とで開拓する楽しみがあります。そのまま入玉してしまえば後手が勝ちです。勝負はまだまだわかりません。

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(生姜)

Dsc_0761(12時35分ごろ、中村真女流三段が戻って考えていた。昼食休憩中は伊藤女流名人も長く盤の前にいた)

Dsc_0762(後手陣はまとめるのにかなり力が必要となる)

Dsc_0763(対局再開直前、伊藤女流名人も盤の前に戻った)

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Dsc_0769 (対局再開。すぐに中村真女流三段が△8六歩を着手)

Dsc_0773(ほどなくして伊藤女流名人も着手を返した)

(生姜)

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12時、この局面で中村女流三段が5分使って昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は、▲伊藤46分、△中村真1時間11分。昼食の注文は、中村女流三段が「納豆オムレツ(単品)」(鳩やぐら)。伊藤女流名人の注文はありませんでした。対局は12時40分から再開されます。

(生姜)

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午前中から本格的な戦いが始まりました。上図で▲8四歩△同歩▲8五歩が継ぎ歩攻めと呼ばれる手筋です。

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この▲8五歩に△同歩は▲同飛で十字飛車による王手銀取りがかかります。8五の歩を取らなければ▲8四歩で大きな拠点ができます。一見、先手が一本取ったように思えますが中村女流三段は△7四金▲8四歩△8五歩の受けを用意していました。

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以下▲6五歩に△5五歩と止めて、均衡が保たれているようです。伊藤女流名人はこの局面で時間を使っています。

Dsc_0733(初手▲7六歩を指す伊藤女流名人)

(生姜)

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戦型は相振り飛車になりました。どちらも向かい飛車なのは比較的珍しいといえます。伊藤女流名人は矢倉を目指して穏やかに。中村女流三段は手早く囲いを済ませて攻めの形を作ろうとしています。先手の攻め、後手の受けという構図になりそうです。

Dsc_0716(伊藤女流名人は手厚い受けの棋風)

Dsc_0725002(中村真女流三段は猛烈な攻め将棋だ)

(生姜)

第12期リコー杯女流王座戦本戦1回戦より、伊藤沙恵女流名人-中村真梨花女流三段戦を中継します。7月5日(火)10時に対局開始。対局は東京・将棋会館「飛燕」で行われます。持ち時間は各3時間(チェスクロック使用)。切れたら1手60秒未満の着手。先後は振り駒で決定します。本局の勝者は2回戦で上田初美女流四段-和田あき女流初段戦の勝者と対戦します。

【棋譜中継ページ】

http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/kifu/12/joryu_ouza202207050101.html

本局の中継は生姜が担当します。よろしくお願いいたします。

(生姜)