里見女流四冠が挑戦者決定戦進出を決める ▲加藤桃-△里見香戦は96手までで、里見女流四冠の勝ちとなりました。終局時間は15時48分で、▲加藤2時間57分、△里見2時間9分(チェスクロック使用)。勝った里見女流四冠は、次戦で伊藤沙恵女流三段-山口恵梨子女流二段戦の勝者と、タイトル挑戦権を懸けて争います。
丁寧な指し回し 上図は9三のと金を払った局面です。△5八とからの寄せが見えていますが、攻め急がずに、と金を払って自玉を安全にしました。里見女流四冠が反撃の種を摘み取る丁寧な指し回しを見せています。(2期連続での挑戦権獲得を目指す里見女流四冠)
攻め合いに突入 上図は先手が端に手をかけた局面です。ここから△4七銀成▲9四歩△9八歩▲同香△9七歩▲同香△9八金(下図)と進みました。飛車が下段から動くと、△2九飛成が生じます。端を攻められていますが、里見女流四冠は反撃のチャンスと見ているのかもしれません。この局面で加藤女流三段は残り時間が1時間を切りました。(どちらの攻めが速いか)
角の押し売り ここまでの消費時間は、▲加藤1時間25分、△里見1時間34分。上図は1五にいた角を成り込んだ局面です。▲4八同金△同とで損な取り引きですが、そのあとの△2八飛成~△5八金が速そうです。勝負どころといえる局面を迎えています。(優劣がはっきりしそうな局面。抜け出すのはどちらか)
昼食休憩 12時、この局面で昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲加藤1時間7分、△里見51分。昼食の注文は、里見女流四冠がイレブンのサービスランチでサーモンステーキ&カニクリームコロッケ、加藤女流三段は小雀弥のぶっかけうどん(肉めしつき)。対局再開は12時40分です。(昼食休憩、▲3四歩の局面)
仕掛け ▲8六歩に対して△2四歩と先手の飛車先から動きました。ただ▲同歩△2七歩▲3八飛に△2二飛は▲3四歩△4二角▲5五銀があり、後手もうかつには飛車の移動ができません。このあと、どのように手を続けるのか、注目です。
先手の狙い 上図は▲8六歩と突いた局面です。このあと、▲8五歩~▲3八飛~▲3九飛~▲8九飛と8筋に飛車を移動する構想が一例です。昼食休憩まであと30分ほどですが、午前中に戦いは起きるのでしょうか。(対局開始前の加藤女流三段)
戦型 戦型は後手のゴキゲン中飛車に対して、先手は足早に右銀を繰り出す「超速▲3七銀戦法」で立ち向かいます。上図△6二銀が珍しい一手。形の整備よりも△5三銀上~△5四銀(△6四銀)を急いで、中央を手厚くしようという構想と思われます。前例は今年の4月に行われた▲森内俊之九段-△菅井竜也八段の一戦(竜王戦、先手勝ち)の1局のみとなりました。(振り飛車側から2枚銀で中央を制圧する工夫を見せた里見女流四冠)