清水女流六段は終始積極的な姿勢で踏み込み、本戦進出を果たした。
中村女流三段は、ギリギリの勝負に持ち込んだが最後は届かなかった。
――序盤は鳥刺し模様の作戦でしたね。
「はい。少し工夫して見たのですが、中村女流三段の▲6五歩(23手目)が新しい手で、そこからはまったく未知の将棋になりました」
――中盤はどのように見ていましたか。
「△1五歩(36手目)は、指しすぎだったのかもしれませんが、そこまでの流れから思いきって突きました。読みというよりは、感覚を重視した手で、結果的にはそれがよかったのかもしれません」
――△6五桂(44手目)から気持ちよくさばいたように見えました。
「手順は流れるような攻めなのですが、直後の▲1三歩成(51手目)の反撃も厳しいので実際の形勢は難しいと思っていました。そこからの終盤戦は読み比べになると覚悟を決めて踏み込んだ感じです」
――終盤はいかがでしたか。
「最後の△5九竜(78手目)のところはこちらも怖いのですが、読んだ限りでは大丈夫だと思いましたので、思いきって決めにいったのが功を奏しました」
――これで本戦に出場が決まりした。
「まず、率直にとても嬉しいです。この1年ほどは公務に追われることが多かったのですが、それだけに対局には新鮮な気持ちで臨めています。本戦でもモチベーションを維持して、自分らしい将棋を指せればと思います」