芝苑で女流王座戦が行われるのは4期連続4回目。これまでの芝苑対局を振り返ります。
◆第3期(2013年)女流王座戦五番勝負第1局◆
里見香奈女流三冠●-○加藤桃子女流王座
初手合いから2年後、加藤女流王座と里見女流四冠が初めてタイトル戦で顔を合わせた対局です。将棋は里見女流三冠の三間飛車に、加藤女流王座の左美濃。途中は里見女流三冠のペースでしたが、結果は108手で加藤女流王座の勝利。しかしシリーズはその後、里見女流三冠が3連勝してタイトルを奪取します。
【棋譜】 第3期女流王座戦五番勝負第1局▲里見香奈女流三冠-△加藤桃子女流王座
◆第4期(2014年)女流王座戦五番勝負第3局◆
西山朋佳奨励会二段●-○加藤桃子女王
里見女流王座が休場によりタイトルを返還したことで、第4期は本戦トーナメントで決勝進出を果たした加藤女王と、大阪狭山市出身の西山朋佳奨励会二段との間で五番勝負が行われました。加藤女王の2連勝で迎えた第3局。西山二段の中飛車に苦戦を強いられた加藤女王でしたが、終盤で逆転に成功し、3連勝のスコアで女流王座に返り咲きました。
【棋譜】 第4期女流王座戦五番勝負第3局▲西山朋佳奨励会二段-△加藤桃子女王
◆第5期(2015年)女流王座戦五番勝負第3局◆
伊藤沙恵女流二段(持将棋)加藤桃子女流王座
そして昨年、第5期の挑戦者は元奨励会員のライバル・伊藤沙恵女流二段でした。伊藤女流二段は本戦トーナメントの準決勝で、里見女流二冠の21連勝にストップをかけ、これが初めての女流タイトル挑戦でした。1勝1敗で迎えた第3局は、なんと284手で持将棋が成立。シリーズは第6局までもつれ込み、加藤女流王座が3勝2敗(1引き分け)で防衛しています。
【棋譜】 第5期女流王座戦五番勝負第3局▲伊藤沙恵女流二段-△加藤桃子女流王座
加藤女流王座は過去、芝苑での対局は1度も負けておらず、相性のよい対局場と言えるでしょう。また本日の対局を含め、すべて後手番になっていることも目を引くデータです。
※肩書、段位はすべて当時。写真は「リコー杯女流王座戦中継ブログ」より転載(撮影:虹記者、翔記者)。