防衛へ向け好スタートを切った加藤女流王座。次局では本田女流三段の巻き返しが見られるか。第２局は11月３日（土・祝）、東京都港区「明治記念館」で行われる。

両対局者が入場すると、会場では大きな拍手。壇上へ上がった二人へ、谷川九段が質問をしていった。



加藤　▲５六飛（19手目）が早かったので何か用意があると思って、△４五角は相手の研究にはまらないために選びました。▲８五飛（33手目）のところで▲２一飛がわからなくて、昼食休憩のときはずっとその変化を考えていました。
谷川　勝ちを意識された局面はどこでしたか？
加藤　△６九銀（36手目）と打ったところで、勝ちではないですが、優勢を意識しました。
谷川　一局を振り返っていかがでしたでしょうか。
加藤　序盤から乱戦、激しい戦いになったのですが、その後落ち着いて指せたのでよかったと思います。

本田　気合負けしないように、やられたらやり返そうと思って指していました。今回は力が発揮できなかったので、第２局以降がんばりたいと思います。

（二人はファンの待つ解説会場へ移動した）

54手で加藤女流王座が先勝した。終局は15時38分、消費時間は▲本田２時間29分、△加藤１時間43分。

先手陣を食い破った加藤女流王座、一転して△７二銀（図）と竜に働きかけた。「竜の逃げ場がない」と野月七段が嘆く。▲８二竜は△８一歩、▲８四竜は△３九馬～△５六竜、▲８八竜は△８七金。先手はどこに逃げてもつらい展開が待っている。すでに形勢には差がついているようだ。対局室では、おやつを食べる加藤女流王座、おやつに見向きもしない本田女流三段と、互いの心情を表すような対照的な光景もあった。このまま加藤女流王座が押し切るのだろうか。

14時50分、局面は佳境を迎えている。２階の解説会場では遠山五段と藤田女流初段が解説中。指導対局では谷川九段が10面指しを行っていた。

（背の高い遠山五段はステージから降りている）

（「日本将棋連盟モバイルでも中継が見れます。もうすぐブログにこの写真が載ると思いますよ」と遠山五段）

（達筆で有名な早水女流二段がサイン中）


（谷川九段は指導対局中）

15時からは伊藤真四段によるニコニコ生放送での解説が行われる。こちらも注目していただきたい。

14時30分、対局室におやつが運ばれた。メニューは二人とも洋なしのムース。

14時15分、本田女流三段は打たれた銀を目にして時間を使っている。控室では先手にうまい受けがあるかどうか、多くの棋士が知恵を絞っている。