―― 一局を振り返っていただきます。よさを感じたのはどの辺りの局面でしょうか?
加藤 岩根さんの▲3七桂(51手目)と跳ねた手は、3筋の位と相性が悪いと思いました。
このキズが大きいので、指せると感じました。
―― 作戦的にはいかがでしたか。
加藤 実はこの形、兄弟子(永瀬拓矢四段)と何十番も指している形なんです。それで▲8
九飛と回る形は「先手の得が生きない」と学んでいたので、自信を持って指せました。
―― 勝ちを意識した局面はどこでしょうか。
加藤 最終盤になってしまうんですが、△4八と(88手目)です。それまでは若干いいかなと
思って指していました。やっぱり玉が薄いので、間違えると危ないなと思っていました。
―― これで準決勝に進出です。相手は同じ奨励会員の伊藤沙恵2級ですが。
加藤 そうですね。一番のライバルと指せてうれしいです。伊藤さんは奨励会での調子がい
いので、おそらく次指すときには伊藤1級になっていると思うのですが、自分も調子を
整えていきたいですね。勝ちたいです。
(文記者のインタビューにハニカミながら慎重に答える加藤奨励会2級)
(聞き手・文、写真・吟)