2012年8月27日 (月)

里見香奈女流四冠と本田小百合女流二段が挑戦者決定戦に進みました。
挑戦者決定戦は9月3日(月)に東京・将棋会館で行われます。

以上で本日の中継を終わります。
ご観戦いただきましてありがとうございました。

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(本局の棋譜)

(牛蒡)

85本田女流二段の強襲に中継室では驚きの声があがりましたが、図の局面は先手優勢のようです。

▲5三桂成(図)は金の入手を図った手で、(1)△5三同金上は▲同角上成が詰めろになります。(2)△2八飛には▲6八歩、(3)△8九飛には▲7七玉△7六歩▲同金で耐えています。「本田さん、強い!」と宮田利七段。


(牛蒡)

78

1図で▲1一飛成が予想されていましたが、本田女流二段は▲4二飛成△同金▲7一角打(2図)と寄せにいきました。しかし△8三玉でも△9二玉でも後手玉は詰みません。詰みがないなら後手から△8九飛が厳しそう。局面は大きく動いています。

さらに本譜は2図から△8三玉▲6五桂と進んでいます。「これで先手がいいと思っているなら相当強いです。怖くてなかなか踏み込めない順です」と宮田利七段。

(牛蒡)

74図で先手は一直線に攻めるなら▲2二飛も考えられました。しかし本譜は▲3五角。

本田女流二段は59手目▲7四歩から一貫して激しく攻めていましたが、▲3五角はペースを落として緩めた手に見えます。これが落ち着いた好手になるか、後手につけいる隙を与えた手になるか。本局のポイントとなる一手だったかもしれません。


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(本田女流二段。緩急をつけた指し回しは功を奏するか)

(牛蒡)

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58手目△6四同角(1図)の局面は先手よしだったと思います。そこで▲2六飛とじっと浮く手もあったかもしれません。

しかし▲7四歩△同歩▲7五歩△同歩▲同銀直はすごい手順でしたね。以下△4二角▲7四歩△6三金▲2四歩△同歩▲3六歩で2図。


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2図で(1)△3六同歩▲2四飛△同飛▲同角は後手をもって自信がありません。自陣にキズが多すぎます。

よって(2)△2五桂▲3五歩△3一飛(参考図)と我慢してどうでしょうか。


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参考図で▲2六歩はさすがに間に合わないと思います。

(以上、宮田利七段談)


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(モニターを見ながら検討する宮田利七段)

(牛蒡)