2022年8月23日 (火)

49手目から51手目まで
▲6五同銀△同桂▲6六歩

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広瀬八段は▲6五同銀△同桂▲6六歩を選びました。駒損を受け入れるのですから決断の一手です。控室では図から(1)△4五歩▲6五歩△4六角が予想されています。上村五段は後手持ちの見解。ABEMAでは(2)△5七銀も解説されていて、それも有力のようです。ただし、△5七銀は▲7九角△4六角▲1八飛や▲5七同金△同角△4五桂▲7九角といった変化をクリアしなければいけません。かなり読みづらい手です。

Dsc_7222(チャンスを迎えた山崎八段。どの攻め筋を選ぶか)

43手目から48手目まで
▲8六歩△6四歩▲同歩△同角▲4六歩△6五歩

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駒組み完了後に指したのは▲8六歩でした。対して後手は6筋の位を奪い返そうとしています。図の△6五歩には▲5七銀、▲7七銀引、▲6五同銀の3択。

(1)▲5七銀は△4五歩に備えていますが、▲8六歩と突いた手とのバランスはよくありません。(2)▲7七銀引は逆に△4五歩の備えになっていません。(3)▲6五同銀△同桂▲6六歩は穴熊流の指し方ですが、△4五歩▲6五歩△8二角で難しそうです。

いずれにしても△4五歩は急所の一手。角だけでなく4一飛型も生きてくる可能性があるからです。広瀬八段は長考に入りました。先手十分に思えた序盤でしたが、図の局面は容易ではなくなったかもしれません。

41手目から42手目
▲7八金△7三桂

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14時30分ごろの局面。先手は▲7八金を指し、△7三桂で手番を得ました。図は分岐点です。よさを求めて動くなら(1)▲3五歩△同歩▲同角が一例ですが、3筋で1歩を渡します。そのうえで後手の端攻めがどの程度のものかを見極めなければなりません。端攻めに備えるなら(2)▲8六歩が考えられます。(1)と(2)では方向性がまったく異なるため、次の一手は重要です。

Dsc_7054(朝の対局室)

35手目から40手目まで
▲6五歩△7三銀▲6六銀△6二金▲6八角△8四銀

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14時10分ごろの局面。先手は穴熊に組むだけでなく、6筋に位も張りました。上村五段は穴熊と6筋の厚みを「囲いが2つあるかのよう」と話します。休憩明けに指された▲6五歩が機敏な手で、先手が十分に組めているようです。後手陣は午前の記事(リンク)で紹介した継ぎ盤の形に近づいています。

Dsc_7231(広瀬八段は堅さだけでなく厚みも求めた)

千駄ヶ谷の街を歩きました。本日は二十四節気の「処暑」。暑さがやわらぎ始める時期です。たしかに少しすごしやすくなったように感じます。東京・将棋会館はヒューリック株式会社の千駄ヶ谷センタービル建替計画にあわせ、2024年に同ビル1階へ移転する予定です。その工事が始まっていました。周辺にはかつて徳川家の邸宅があり、その名残りを電柱にみることができます。

Dsc_7288(現在の東京・将棋会館)

Dsc_7290(鳩森八幡神社)

Dsc_7306(夏も終盤)

Dsc_7322(駅前の工事現場。設計・施行は大成建設)

Dsc_7329