カテゴリ「第33期竜王戦七番勝負第2局」の記事 Feed

2020年10月23日 (金)

おはようございます。
対局2日目のスケジュールは以下の通りです。

9時 封じ手開封~対局再開
10時 午前のおやつ・現地大盤解説会開始
12時30分 昼食休憩
13時30分 対局再開
15時 午後のおやつ
※大盤解説会は事前申し込み制で、当日券はありません。

Img_3194 名古屋市は雨。徐々に弱まって、15時頃には晴れて来る見込み。日中の最高気温は20度の予想です。

2020年10月22日 (木)

Img_3149 羽生九段は18時2分に封じる意思を告げて別室へ。青野九段が定位置について待っている。

Img_3156 豊島竜王は封じ手を待つ間も考えていた。

Img_3161 5分ほどで羽生九段が封じ手を書いて戻って来た。

Img_3167 封じ手を受け取った豊島竜王が封緘のサインを加える。

Img_3169 最後に羽生九段から立会人に封じ手が預けられた。

Img_3180 封じ手を預けた羽生九段はリラックスした表情に。

Img_3186 駒が片づけられて、対局1日目が終了した。

202010225917時25分、「このまま封じ手もあり得るか」と言われ始めたところで、豊島竜王が▲5四歩と指しました。控室では、「筋のいい人は▲5四歩」と言われていた手です。
「次の手は難しいところですよ。この局面で確実に封じ手になるでしょうね。もしかすると18時になってもすぐに封じないかもしれません」と青野九段。候補手としては△3六歩が最有力と見られていますが、少し前に青野九段が指摘していた△8六銀もあるようです。また、受けの手なら△3二銀打が考えられるようです。

この手を見た羽生九段は棋譜を手に取って、しばし眺めてから前傾姿勢を強めて考え出しました。なお18時を回ると次の手を封じますが、18時ちょうどに封じなければいけないわけではありません。手番の棋士は、18時以降も指す手が決まるまで、持ち時間の許す限り考えることができます。

Img_3058 豊島竜王は相手が封じることになりそうなタイミングで着手した。

16時過ぎ、明日の大盤解説会を担当する三枚堂達也七段と和田あき女流初段が現地入りしました。和田あき女流初段は、来て早々におやつの食レポを依頼されて、早速お仕事です。羽生九段が注文した「クラシックショコラ」は、口当たりが柔らかく食べやすいと好評でした。
なお、今日は和田あき女流初段の妹で、9月にプロデビューしたばかりの和田はな女流2級が東京・将棋会館で女流公式戦の対局中です。将棋連盟ライブ中継アプリで中継されていますので、どうぞご覧ください。

Img_3135和田あき女流初段。

Img_3139 三枚堂七段も現地入りした。

2020102256時刻は16時を回りました。豊島竜王は△7七桂成と銀を取られた局面で長考しています。▲7七同桂が普通ですが、すぐに指さないところを見ると何か嫌な筋があるのかもしれません。控室の青野九段に見解を伺いました。

「もしかしたら△8六銀(下図)の強手があるかもしれません」と青野九段。

58歩切れの先手は▲8六同歩と取りづらい形のため、▲8五桂と歩を取る手が考えられます。しかしそれには△7七銀打が目の覚めるような強手です。以下▲同金△同銀成▲同玉△8五飛(下図)まで一本道ですが、次に△6五桂と△6九角の二つの厳しい狙いがあるため、この変化は先手が苦しいとされました。

64戻って、最初の△8六銀に▲同歩と取り、△同歩に▲8五桂打と桂を打つ変化が検討されました。以下△8七角▲7九玉△7五歩(下図)に、先手からも▲4四歩や▲2四歩などがあって「意外に難しい」とされました。ただ、先手としてはかなり気を使う変化のため、「これは時間を使って当然ですね」とのこと。しかし、ここで▲7七同金は妥協した感があるため、▲7七同桂と取れないようだと先手変調と言えそうです。

642Img_3129 控室では、青野九段と山崎八段が継ぎ盤を挟んで検討している。

16時過ぎ、豊島竜王は32分の考慮で、図から▲7七同桂と応じました。妥協しない取り方に対して、青野九段が指摘した△8六銀の強手が指されるのかどうか。次の一手が注目されます。

15時を回り、両対局者におやつが用意されました。注文は、豊島竜王が「フルーツ盛り合わせ」(檸檬屋)と「100% ももジュース」(Banshoji Bar)、羽生九段が「クラシックショコラ」(ガトー・デュラ・メール・スリアン)と「コーヒー」(Banshoji Bar)。

Img_3099 フルーツ盛り合わせともものジュース。

Img_3089 クラシックショコラにはフルーツが添えられていた。

【檸檬屋】
http://e-lemon.jp/
【ガトー・デュラ・メール・スリアン】
http://www.souriante-nagoya.net/
【Banshoji Bar】
https://bar.banshoji.jp/

2020102254昼食休憩が明けてもずっと考えていた羽生九段ですが、14時半近くになって△6五桂と指しました。この一手に1時間13分使っています。控室では△7五歩や△9五歩を入れてから△6五桂が挙げられていましたが、単に△6五桂も十分考えられる手です。ただ、この桂を跳ねると▲7三角と打ちこまれる隙が生じるので、後手にとっては決断のいる手。ここから局面は激しさを増していきそうです。

Img_3068 羽生九段が決断の攻めに出た。

対局が行われている「亀岳林・万松寺」は、十一面観世音菩薩を本尊とする単立寺院(特定の宗派に属さない寺院)。その歴史は、1540年に織田信長の父、織田信秀が菩提寺として建立したことに始まり、大変な歴史と由緒のある寺院です。名古屋市の繁華街である大須商店街の中にあり、毎日多くの参拝者が訪れる他、観光スポットにもなっています。

Img_2960 万松寺の正面玄関。商店街のど真ん中にある。

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Img_3013 御朱印は毎日行列ができる人気だ。

Img_2955 竜王戦開催に合わせて、各種グッズも多数販売されている。

Img_3082 御朱印帳。かなり派手なところがグッドだ。

Img_3085_3 クリアファイル。表面が豊島竜王。

Img_3084 反対の面が羽生九段になっている。

Img_3031 マスクもある。