カテゴリ「第26期竜王戦決勝トーナメント」の記事 Feed

2013年7月 2日 (火)

52_4飯塚祐紀七段が中継室を来訪し、現局面について解説してくれました。

「飛車を打つ手も手堅いですが、局面が収まってぼけてしまうとつらいかもしれないですね。いずれにせよ3六の馬が軸なので、それに働きかけることになると思います。私は▲6五桂を本線に考えたいです。 △4六銀なら▲5三桂成△同玉▲4五桂△同馬▲4六歩(変化図1)で先手よし。

そこで△4六金と4五の地点に利かせて打ちますが、▲5三桂成△同玉▲4五桂△同金▲3六飛△同金▲5六飛△6二玉▲3六飛(変化図2)と進んだ局面は先手がよさそうです。飛車打ちのスキがありませんし。

形勢は先手よし、だと思います」(棋譜コメントより)




Z1

Z2

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52_2図の局面で18時10分になり夕食休憩に入りました。

休憩までに羽生三冠が使った時間は38分。

消費時間は▲羽生3時間30分、△小林裕3時間22分。

夕食の注文は羽生三冠がエビフライ定食(ふじもと)、小林裕七段が中華そば(ほそ島や)。

対局は19時に再開されます。

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52

17時30分ごろの局面。小林裕七段はじっと△8二歩と打って、馬の利きを遮断しました。

ただ耐えているわけではなく、次に△4六銀の狙いを秘めています。

44_2図は17時ごろの局面。
▲5五角に対して小林裕七段はさして時間を使わずに△2六歩と垂らしました。
進行の一例を棋譜コメントから抜粋すると、
「▲9一角成△2七歩成▲2九香の進行は、先手の馬と香の利きが絶大だ。
そこから後手が暴れるなら△3八飛成▲同金△同と▲同飛△6九銀▲同玉△4七馬と王手飛車をかける順だが、
以下▲5八飛△4八金▲6八金△5八金▲同金△2九馬(変化図)で駒の損得はないものの駒の活用度に差があり先手ペースだろう」とのことです。



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42富岡八段と長岡五段が検討していた展開に進んでいます。

図から▲5五角と打った時に後手に何かうまい反撃があるかどうかと長岡五段は語っていました。

羽生三冠はその反撃を見定めているのか、ここで慎重に時間を使っています。






40(16時40分ごろの特別対局室)
 

34_2長岡五段「ここから△3八角成▲同金△同飛成となっては先手玉が詰んでしまいます。先手は竜を残した形での二枚換えはしたくないので、3八を守るか飛車取りに何か受ける必要があります。▲3九金と寄って良ければ一番やりたいです。
▲3九金に△3八角成から行くと▲2八金△同馬で馬が遠ざかってしまうので、▲3九金には△3八飛成▲同金△同角成とやりますが、そこで▲6五桂(変化図1)と攻防に桂を跳ねて、それで先手が良ければそうやると思います」


 

 

X1

 

 











15時半ごろ、本日の対局立会人を務める富岡英作八段が中継室を来訪し、

現局面について長岡五段と検討しています。

 

X2 富岡八段「▲1六角△同角成▲同歩を入れてから△2七角に▲3九飛(変化図2-a)っていう手もありそうじゃない?以下△3七歩▲同桂△3六角成▲5五角(両香取り、変化図2-b)みたいな進行で」

長岡五段「▲3九飛も有力ですよね。▲3九飛は3八に数を足して守り、次の▲5五角に期待した手です。変化中に△3七歩を入れているのは、▲5五角が2八の飛車に当たらないようにした意味があります」






 

X22長岡五段「▲5五角のところで後手からうまい反撃があるかどうかですね」

 









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2814時ごろ、長岡裕也五段が中継室を来訪しました。

長岡五段「お互いに相手から角を交換して欲しい局面でした。自分から角を交換してしまうと、相手の桂を攻めに使われてしまいます。なので、先手は▲2四歩と垂らして、▲3三角成△同桂▲2三歩成△同金に▲2一飛を含みに焦らせていたんですね。

ここは桂で取りたいところです。▲7七同桂△2七歩成▲同銀△2八飛▲3八銀△2七角(変化図)の変化を自信なしと思えば金で取る手もあるかもしれません」

 

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(これで先手がよくなれば、後手は青野流に対して△5二玉~△7六飛という指し方ができなくなるかもしれないと語る長岡五段)