2022年7月の記事

2022年7月26日 (火)

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図は45手目▲2四歩の局面。43手目▲9七角に30分、続く△8五飛に26分、▲2四歩に45分と長考が相次ぎました。
先手の高見七段が図の▲2四歩から△同歩▲同飛と横歩取りを狙って、細かく動いています。

Dsc_4484(朝の佐藤天彦九段)

1組2位の佐藤天彦九段は1組に計8期在籍。決勝トーナメント進出は今回で5回目です。意外にも、過去4回の決勝トーナメントはすべて初戦で敗退。決勝トーナメント初勝利からのタイトル挑戦を目指します。今期は1組で出場して準優勝。決勝トーナメントは本局が初戦になります。

今期竜王戦の対戦カードは以下の通りです(左が先手)。
1組ランキング戦
1回戦 阿部健治郎七段●-○佐藤天彦九段
2回戦 山崎隆之八段●-○佐藤天彦九段
準決勝 佐藤天彦九段○-八代弥七段
決勝  永瀬拓矢王座○-●佐藤天彦九段

高見泰地七段は3組からの出場。4連勝でランキング戦を優勝し、第27期以来2回目の決勝トーナメント進出を果たしました。奇しくも、今期3組決勝で戦った菅井竜也八段とは、第27期5組決勝でも対戦しています。

今期竜王戦の対戦カードは以下の通りです(左が先手)。
3組ランキング戦
1回戦 高見泰地七段○-●飯島栄治八段
2回戦 鈴木大介九段●-○高見泰地七段
準決勝 高見泰地七段○-●及川拓馬七段
決勝  菅井竜也八段●-○高見泰地七段(千日手指し直し局)

決勝トーナメント
高見泰地七段○-●森内俊之九段

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12時40分に対局が再開されました。しばらく待っていましたが、佐藤天九段は対局室に戻られなかったため、写真撮影をしておりません。ご了承ください。

Dsc_4617 (考える高見七段)

Dsc_4631 (対局再開後も少し時間を使って37手目▲6六銀を着手)

Dsc_4639001 (37手目▲6六銀が指された盤面)

Dsc_4641 (佐藤天九段は昼食休憩から席を外したままだった)

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図の36手目△8一飛の局面で昼食休憩に入りました。消費時間は▲高見1時間15分、△佐藤天24分。対局は12時40分再開です。
対局者の昼食の注文は、高見七段が「肉豆腐山椒弁当(トッピングは糸こんにゃく)」(鳩やぐら)、「チキンガーリックバター焼きの単品」(鳩やぐら)。佐藤天九段は「豚しゃぶ(梅しそ)弁当」でした。また、高見七段はのどあめ、佐藤天九段は洗顔シートの買い出しも頼んでいました。

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図は33手目▲4八玉まで。高見七段は右玉に出ました。似たような将棋はいくつかありますが、後手が3筋の位を取らせて右玉にする類例がほとんど。先手で7筋の位を取らせて右玉にするのはやや珍しいようです。

Dsc_4462 (振り駒の様子)

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図は18手目△8五飛の局面。高見七段の先手で始まった本局は、相掛かりとなりました。矢倉が得意だった高見七段ですが、今年度に入って相掛かりを多用しています。前局の対森内俊之九段(2組2位)戦でも使っています。
図の△8五飛は実戦例の少ない手段で、佐藤天九段の工夫といえます。1筋を突き合った形では、今年1月のB級1組順位戦の▲藤井聡太竜王-△千田翔太七段戦(後手勝ち)で指されています。この将棋は、将棋世界2022年5月号の西田拓也五段の講座「コンピュータソフトやねうら王と行く 藤井将棋観戦ツアー」で詳しく解説されています。

Dsc_4473 (相掛かりを用いた高見七段)