2022年7月15日の記事

2022年7月15日 (金)

Img_7216(稲葉八段は研究手順のノータイム指しから、しっかりとリードを守って制勝)

Img_7178(伊藤匠五段は食らいついていったが、逆転には至らなかった)

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以上で本局のブログ更新を終了致します。
ご観戦いただきまして、誠にありがとうございました。

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▲伊藤匠五段-△稲葉八段戦は、110手で稲葉八段の勝ちとなりました。終局時刻は21時9分。消費時間は▲伊藤匠4時間55分、△稲葉3時間54分(持ち時間各5時間)。勝った稲葉八段は、次戦で山崎隆之八段(1組4位)と対戦します。

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この△1八角で後手優勢がハッキリとしてきました。実戦は(1)▲3八銀と引きましたが、(2)▲2八飛には△3六桂▲同銀△同角成、(3)▲3七飛には△2六角がそれぞれ厳しい追撃でした。(4)▲3八銀打だと後に▲7四銀と反撃することができなくなり、また後手は急いで飛車を取る必要がない(例えば▲2八飛には相変わらず△3六桂がある)ため、△5三角と引いて△3五桂の飛銀両取りを狙えば優勢は揺るがなかったでしょう。

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(1)▲3八銀に△4六角と出たのが着実な追撃で、次は△2七角成▲同銀△2八角成を狙っています。後手玉は広く、また馬の利きも後手陣を守っているため、やはり後手よしと見てよさそうです。20時40分、伊藤匠五段の残り時間が10分を切りました。対する稲葉八段は1時間23分を余しています。

Img_7063(稲葉八段が勝ちに近づきつつある。着地を決めるためにポイントを積み重ねたいだろう)

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稲葉八段が細かく攻めを作り、伊藤匠五段はいよいよ受け続けるのが難しくなってきました。本譜の歩の垂らしの狙いは△1九歩成▲同飛△2六角ですが、先に(1)▲3七玉と顔面受けをするのは以下△9七歩成▲同香に△1三桂打の追撃がありそうです。続く▲3三桂成△同桂▲3四桂△5二玉(変化図)は後手玉が広く、先手陣右辺も崩壊するため後手優勢です。桂2枚で2五地点を狙うため、途中で▲1四銀といった受けも利かず、3七玉型をとがめることができます。
実戦は(2)▲3五歩△同角の突き捨てを利かしてから▲3三桂成としています。

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Img_7051(伊藤匠五段はつらい展開。何とか辛抱する手順はあるだろうか)

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対局再開から3手進みました。稲葉八段は受け方の悩ましい角打ちを決行。(1)▲2七飛には△1八角、(2)▲1八飛には△9五香で歩を補充してから△2七角▲1九飛△1八歩で、それぞれ1七香が助かりません。(3)▲2九桂ならば部分的には受かりそうですが、打った桂は守り以外に使えず、対して4四角は△6六角と出るなどほかのところでも活用できます。駒の働きに差が生じるというわけです。

本譜は以下(4)▲2六桂と受けて、そこで稲葉八段がしばらく手を止めています。持ち歩があれば△1六歩▲同香△1七角で技が決まります。そのため△9五香が候補手です。

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この局面で、稲葉八段が13分考えて夕食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲伊藤匠4時間1分、△稲葉2時間38分(持ち時間各5時間)。夕食の注文は、稲葉八段が「珍豚美人(白米、カップスープ)」(レストランイレブン)、伊藤五段が「肉なんばうどん」(やまがそば)。対局は18時40分に再開します。

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稲葉八段が端攻めで桂を捕獲し、駒得を確定させたところです。対する伊藤匠五段は▲5九玉と移動して、桂を取られたあとの△7六桂(王手竜取り)から早逃げしました。次に(1)▲4八玉~▲2九飛で右玉の好形となり、働きの弱かった飛車にも活が入ります。また、ここ数手のやりとりで持ち歩が増えたことで(2)▲2四歩△同歩▲2五歩という継ぎ歩攻めも選びやすくなりました。

ただし、そこまで陣形整備をする猶予はないかもしれません。例えば現局面で△1五歩▲同歩△9五香▲9八歩△9七歩成▲同歩に△1六歩(変化図)と垂らして、次に△1七歩成▲同香△1九角から先手陣右辺を荒らす手段が考えられます。これは▲5九玉をとがめたことになりそうです。また1筋ではなく3筋の歩突きから攻めを作るのも一案です。

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先手はバランスのよい陣形に組みきれればそれが主張となるでしょう。一方の後手は、駒得確定であること、そして前述のような端攻めなどこの瞬間に動く権利があることが主張です。時刻は17時25分、稲葉八段が40分以上の長考に沈んでいます。

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数手前、稲葉八段にも1時間以上の長考がありました。それでも残り時間では相手よりも圧倒的に余裕があります。56手目△7三銀までの消費時間は▲伊藤匠3時間49分、△稲葉1時間7分。

いまは激しい変化を回避して戦いがいったん落ち着き、局面は中盤に戻ったといってよいでしょう。以下(1)▲8三桂には△8一金▲9一桂成△同金で、先手に追撃手段がありません。むしろ後手に桂が渡ることで△7六桂の王手竜取りが生じてしまいます。実戦はここから(2)▲7二歩△8二金▲7一歩成と進みました。稲葉八段としては先手の攻めを切らして、持ち駒の豊富さや、盤上の駒の働きでまさる点(先手の2八飛や9七桂が使えていない)を生かしたいところです。

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