封じ手番が決まる18時まで、残り30分を切っています。△２七歩は▲同飛△４五桂から攻める狙いで、飛車の位置を悪くしておけば△８六歩▲同歩△８九角などの攻めを絡めやすくなります。

（対局再開後の豊島竜王。△２七歩に１時間17分を割いた）

対局場があるセルリアンタワーは渋谷駅から徒歩３分の距離にあり、地上41階・地下６階という超高層複合ビルです。能楽堂は地下２階で、能だけでなく多彩な公演活動が行われています。能楽堂は新型コロナウイルスの影響で臨時休業していましたが、６月１日から営業が再開されています。

【セルリアンタワー】
http://www.ceruleantower.com/index.html

【セルリアンタワー能楽堂】
http://www.ceruleantower-noh.com/

【セルリアンタワー東急ホテル】
https://www.ceruleantower-hotel.com/

△６二金に今度は羽生九段が長考に沈み、豊島竜王が△７七桂成に使った１時間39分の考慮をわずかに上回る１時間42分の考慮で▲３三角成としました。以下△同桂に▲５五角と打っています。

▲５五角は意外な手で、控室では▲２一飛成を検討していました。▲５五角に△４二銀なら側面が薄くなるので▲２一飛成が厳しくなりますし、△３二銀は▲２四桂があります。しかし、△４五桂から攻め合いにされたときにどう指すかが悩ましいです。

（対局再開時の羽生九段。控室の検討にない手を放った）

（森内九段と中村桃女流初段におやつを食べてもらった）

（豊島竜王のフルーツ盛り合わせ。イチジクを食べた森内九段は「マーベラスな味です。イチジクは昔から好きですよ」とコメントした）

（羽生九段のイチジクのタルトを食べた中村桃女流初段。「ドライフルーツのイチジクは食べたことあるんですけど、フレッシュなものは初めてかもしれません。タルトはサクサクですし、おいしいです」）

１日目午後のおやつは、羽生九段がイチジクのタルト、ホットコーヒー。豊島竜王がフルーツ盛り合わせとアップルジュースです。

（イチジクのタルト、ホットコーヒー）

（フルーツ盛り合わせ、アップルジュース）

▲２四同角に豊島竜王が長考に沈み、昼食休憩を挟んで１時間39分の長考で△７七桂成としました。以下▲同桂△６二金と進んでいます。

△６二金で前例から離れました。金上がりは▲６三桂や▲７三角を防いでいます。先手は銀桂交換の駒損なので、手番を生かして後手陣に攻めかかりたいところです。

（観客席から見た能舞台）

（昼食休憩時の対局室。再開直後は、竜王戦プレミアムに申し込んだ参加者が見学できる）

（現局面。盤駒は日本将棋連盟所蔵のもの）

（羽生九段の玉将）

（豊島竜王の王将。金銀は不動のままだ）

（桂の高跳びから激しくなっている）

12時30分、豊島竜王が１時間１分使って、昼食休憩に入りました。消費時間は▲羽生１時間25分、△豊島１時間53分。対局者の昼食は、羽生九段が「特選かるめら 黒印度カレー」、豊島竜王が「国産牛の網焼き“ステーキ重”温野菜添え」です。

（特選かるめら 黒印度カレー）

（国産牛の網焼き“ステーキ重”温野菜添え）

（佐藤康九段がうっかりに気づいた直後、森内九段が戻ってきた）

「先生、見ないでください。ひどい」

「え？」

「いや、私は後手がよいと思うんですけど」

「え、私は先手がよいと思うんですけど」

「ええ？」

「いや、何で銀を逃げないんですか？」
「え！」

（竜王経験者同志が継ぎ盤を挟み、激しい変化を検討する。森内九段は先手、佐藤康九段は後手を持った。ふたりは棋風が対照的で、受け将棋で駒得を重視する森内九段に対し、佐藤康九段は超攻め将棋。最近の序盤についても意見をかわす）