2020年10月の記事

2020年10月 9日 (金)

Dsc_3081(控室では佐藤康九段と野月八段が検討中)

Dsc_3084(王手飛車が出てくる変化)

Dsc_3087(野月八段に好手を指摘され「あ、ひどいなぁ」と佐藤康九段。図は▲5三桂成の局面で、直前の指し手は△6三歩。図で△6四歩は▲6三桂までの詰みである)

2020100916

豊島竜王が△6五桂と仕掛けました。羽生九段は銀を逃げずに▲2四歩と応じ、早くも激しい攻め合いです。

△6五桂の局面は前例が4局あり、▲8八銀や▲6六銀、▲2四歩が指されています。▲2四歩は直近の前例で、今年2月の順位戦C級1組▲宮田敦史七段ー△西尾明七段戦で指されました(結果は先手勝ち)。
▲6六銀は2018年10月9日、つまりちょうど2年前の竜王戦4組昇級者決定戦▲高見泰地叡王ー△遠山雄亮六段戦で指されました。以下△8六歩から飛車を7六に回り込み……。

2020100922居玉ながら遠山六段は△5四歩!と攻めをつなげます。

2020100930▲5四同歩に△5六歩が狙いですが、後手玉の真上に歩が伸びつつ先手の角の利きも通るので、形勢は何ともいえません。実戦は遠山六段が制しました。

開始日時:2018/10/09 00:00:00
終了日時:2018/10/09 20:33:00
先手:高見泰地叡王
後手:遠山雄亮六段

▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲7七銀 △8五歩
▲2六歩 △7四歩 ▲2五歩 △7三桂 ▲7八金 △3三角
▲5六歩 △6四歩 ▲7九角 △6五桂 ▲6六銀 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲8八歩 △7六飛 ▲2四歩 △同 歩
▲4六角 △6二銀 ▲5五歩 △8六歩 ▲6九玉 △5四歩
▲同 歩 △5六歩 ▲6五銀 △同 歩 ▲7七歩 △7五飛
▲4八銀 △8七歩成 ▲同 歩 △8八歩 ▲5三歩成 △8九歩成
▲4三と △8五桂 ▲6三桂 △同 銀 ▲3三と △同 桂
▲8四角 △4二玉 ▲7五角 △同 歩 ▲8二飛 △5二金左
▲5三歩 △6二金寄 ▲8五飛成 △6六歩 ▲7五竜 △8八と
▲同 金 △6七歩成 ▲6八歩 △5七桂 ▲同 銀 △同歩成
▲6七歩 △6八歩 ▲7九玉 △6七と ▲5九桂 △6六銀
▲7六竜 △7八歩 ▲8九玉 △7九銀 ▲8六歩 △5四角
まで78手で後手の勝ち

特別観戦プログラム「竜王戦プレミアム」は、対局の間近で見る観戦や大盤解説、棋士と一緒にランチを楽しむイベントが盛り込まれています。11時過ぎに行われていたのは竜王戦トークです。

Dsc_3072(竜王戦トークに出演しているのは……)

Dsc_3073(戸辺誠七段)

Dsc_3077(「局面が進んでいるので、先に大盤解説をしましょう」と戸辺七段)

Dsc_3078(聞き手を務めるのは中村桃子女流初段)

2020100915初手から▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩▲7七銀と進み、先手は矢倉を目指しました。対する豊島竜王は金銀をまったく動かさず、右桂を足早に活用しています。▲7九角に△6五桂と仕掛ければ、互いに居玉の乱戦です。

1日目午前のおやつが対局者に出されています。豊島竜王はフルーツ盛り合わせ、羽生九段はプリンアラモードとオレンジジュースです。

Dsc_3065(フルーツ盛り合わせ)

Dsc_3061

(プリンアラモード、オレンジジュース)

Dsc_2979(羽生九段は8時47分に入室)

Dsc_2987(豊島竜王は8時49分に上座に着いた。ややあって駒箱を開ける)

Dsc_2999(豊島竜王)

Dsc_3001(羽生九段)

Dsc_3011(林健太郎・野村ホールディングス株式会社グループ広報部部長が豊島竜王の振り歩先で振り駒を行う。結果はと金が4枚が出て、羽生九段の先手が決まった)

第1局は1日目を迎えました。本日の渋谷区の天気は雨。予想最高気温は16度です。

Dsc_2975(対局場の能楽堂。スタッフが最後の確認を行っている)

■1日目スケジュール

9:00 対局開始
10:00 おやつ
12:30~13:30 昼食休憩
15:00 おやつ
18:00 封じ手

※大盤解説の当日受付はありません。

2020年10月 8日 (木)

Dsc_2945(乾杯のあいさつ 巴政雄・東急株式会社代表取締役副社長執行役員)

「豊島竜王は竜王初防衛に向けて、先月に叡王を獲得して勢いがあります。羽生九段はタイトル通算100期を懸けて全力で立ち向かう戦いです。まれに見るすばらしい対局になることを期待しております」

Dsc_2947(乾杯後、両対局者は退出した)

本日の中継は以上で終了となります。明日の対局開始は9時です。そちらもお楽しみに。

(書き起こし=銀杏)