2020年10月の記事

2020年10月21日 (水)

【花束贈呈・記念撮影】Img_2781

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【対局者決意表明】Img_2805 挑戦者・羽生 善治九段
「万松寺では最近、数多くの対局やイベントを開催していて、将棋界を盛り上げるために本当にありがたい存在だと思っております。先ほど第1期竜王戦の第1局が名古屋で行われたという話があって、30年以上前のことですが、『そういうこともあったなあ』と。それに気がついたときに自分も棋士を長くやってきたなと実感いたしました。ただ、将棋の世界は過去のことより、これから先どうやっていくかが一番大事だと思っていますので、明日からの対局も、自分がいま持っているものを出し切って、将棋ファンの皆さまに面白いと思ってもらえるような将棋を指せるよう、一生懸命やっていきたいと思っております。短い期間ではありますが、関係者の皆さまには大変お世話になります。どうぞよろしくお願いいたします」

Img_2819 豊島 将之竜王
「本日は、多くの方に前夜祭にお越しいただき、ありがとうございます。対局場の万松寺は、近年、将棋に力を入れてくださっていて、私も今年の7月に対局させていただきました(第5期叡王戦七番勝負第3、4局)。そのときが持将棋という結果で、非常に長い対局になったので、うんざりされていないかなと少し心配していましたが、今日は本当に温かく迎えてくださり、先ほどご祈祷もしていただきました。竜王戦は第1局を戦って世間からの注目の高さを感じています。自分の力を出し切って、明日からの対局がよい内容になるように頑張りたいと思っています。明日から2日間よろしくお願いいたします」

【乾杯】Img_2832 小池 利和・ブラザー工業株式会社 代表取締役会長
「豊島竜王とは愛知県一宮市出身で一緒でして、決して羽生先生を応援しないわけではございませんが、伯仲した将棋を期待しております。コロナ禍の中、皆さま本当にタイトなスケジュールで将棋を指しておられ、棋士の方たちも大変だなと思いながら、最近はインターネットで将棋を見ながら毎日を楽しく過ごしています。今日、この会場にお越しの方々も大の将棋ファンだと思いますし、愛知県出身の棋士も強いですから、これからさらに日本の将棋が発展していくことをと期待しております」

このあとは対局者が退場してから食事・歓談の時間となり、感染防止のため報道陣も会場から退出しました。

(書き起こし=夏芽)

18時から前夜祭が行われました。

【対局者入場】Img_2721

【主催者挨拶】Img_2725 山腰 高士・読売新聞東京本社中部支社長
「第1期竜王戦の第1局は名古屋で開催されました。名古屋での開催は、それ以来32年振り2回目、愛知県内での開催は今回が4回目となります。この万松寺は、織田信長公の父である信秀公が、織田家の菩提寺として、いまから480年前に建立されたそうです。織田家にゆかりのこの会場で、明日からどのような名勝負が展開されるのか、とても楽しみにしております」

Img_2739 脇 謙二・日本将棋連盟専務理事
「今期の竜王戦は挑戦者の羽生九段が前人未到のタイトル100期の大記録を懸けての戦いということで、社会的にも大きな注目を集めております。迎え撃つ豊島竜王ですが、名人戦の防衛戦は残念な結果に終わりましたが、叡王戦ではタイトルを奪取され、調子が上がっています。この二人の対決ということで、将棋ファンの注目も最高潮に達していると思います」

【歓迎メッセージ】Img_2744 大村 秀章・愛知県知事
「現在の将棋界で最強の呼び声高い豊島竜王と、そして前人未到の100期に王手を掛けておられる羽生九段。まさに竜虎の決戦ということではないかと思います。歴史に残る大決戦を堂々と戦い抜いていただくことをご祈念申し上げます」

Img_2758 河村 たかし・名古屋市長
「東京、大阪に続く第3の将棋の本部を名古屋に作りたいと思っています。それから、名古屋の徳川美術館に国宝の将棋盤があるんです。名古屋で開催している、こども王位戦がありまして、最後に藤井聡太二冠と指すんですが、そこで国宝の将棋盤を使えないかと徳川さんに聞いたらOKを頂いて、いま検討してもらっています。ということで、名古屋の将棋の雰囲気を大いに盛り上げていこう、ということでございます」

【開催地激励】Img_2766 大藤 元裕・万松寺 第四十二世住職
「今回はコロナ禍の中での前夜祭ということで、ステージにアクリル板を用意したり、みなさんにお話しいただくたびに、1回ずつマイクを交換して消毒をするなど対策をとっております。会場も密を避けるため、ご来場の方には抽選をしていただいて、限られた方にお越しいただいております。なんとか知恵を絞って前夜祭を開催させていただきました。そういった中で、頂上決戦を当地で行わせていただくことを大変光栄に感じております。両対局者には思い切って対局していたけるように、精一杯支えさせていただきたいと思っております」

Img_2685 17時から対局室で検分が行われた。

Img_2690 豊島竜王。

Img_2692 羽生九段。

Img_2697豊島竜王が座布団をいくつかの候補から選んだ。その他は問題なく検分が終了した。

Img_2702 本局で使用される駒。竜王戦開催に向けて万松寺が用意した赤柾の逸品だ。

Img_2704 桐月作・錦旗書。

このあと、18時から前夜祭が行われます。

Img_2662 関係者一行は16時45分頃に対局場の万松寺に到着。まずは住職と記念撮影。

Img_2670 竜王戦にちなんで、万松寺の白竜の像の前で。

Img_2676 対局の成功を祈願してお経が唱えられた。

豊島将之竜王に羽生善治九段が挑戦する第33期竜王戦七番勝負は、豊島竜王の先勝を受けて第2局を迎えました。対局は10月22・23日(木・金)にかけて、愛知県名古屋市「亀岳林 万松寺」で行われます。対局は9時開始。1日目18時を回ると手番の棋士が次の一手を封じ、翌日に指し継がれます。昼食休憩は12時30分~13時30分、10時と15時におやつが提供されます。
本局の立会人は青野照市九段、新聞解説は山崎隆之八段、記録係は清水航二段(伊藤博文七段門下)、現地大盤解説は三枚堂達也七段と和田あき女流初段、読売新聞観戦記は大川慎太郎さんが務めます。

【主催:読売新聞(囲碁将棋|竜王戦)】
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/

【特別協賛:野村證券】
http://www.nomura.co.jp/

【協賛:東急グループ】
https://tokyugroup.jp/

【協賛:株式会社UACJ】
https://www.uacj.co.jp/

【協賛:旭化成ホームズ株式会社】
https://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/index.html/

【対局場:亀岳林 万松寺】
https://www.banshoji.or.jp/

本局の中継は、棋譜コメントを夏芽、ブログを八雲が担当いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。

2020年10月10日 (土)

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Dsc_3602(森内九段とも意見をかわした)Dsc_3612(感想戦は17時30分過ぎに終了した)

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本局の中継は以上で終了となります。ご観戦いただき、ありがとうございました。第2局は10月22・23日に名古屋市「亀岳林 万松寺」で指されます。そちらもお楽しみに。

Dsc_3505(終局直後)Dsc_3508(快勝した豊島竜王)

Dsc_3513(敗れた羽生九段)

【豊島竜王のインタビュー】

――本局の感想をお願いします。

「激しい戦いになって、難しい将棋だったと思う」

――矢倉戦で△7四歩から△7三桂を急ぐのは事前の構想と思いますが、矢倉になると考えていたのでしょうか。

「矢倉になったらこのように指すつもりでした」

――△2七歩のあたりはどのような感触でしたか。

「このあと先手の指し方がいろいろあってよくわかっていなかった。あとで叩くと横に逃げられる展開が気になったので叩くところと思いました。そのあとのところは難しいと思いました」

――形勢に自信をもったのは?

「昼食休憩のあたりは手の調子はいいと思ったのですが、具体的にどう指すのかは難しいのでよくわからないまま指していました」

――いままでの竜王戦七番勝負の最短手数の記録は66手でした。大幅更新になるのですが、それについてはいかがでしたか。

「20手くらいで終盤になっているので、短手数でしたが、難しい将棋というかいろいろと考えないといけない将棋だと思いました」

――次局への抱負をお願いします

「第2局から先後が決まるので、しっかり準備して臨みたいです」

【羽生九段のインタビュー】

――本局の感想をお願いします。

「駒がぶつかったあとにいくつかの分岐があったと思う。そのあたりの選択に問題があったかもしれません。調べてみないとわかりませんが、本譜の順はさえなかったと思います」

――封じ手の周辺はいかがですか。

「封じ手は歩を取るか、桂を取るか悩んだのですが、わかりませんでした。かなり悩みました。2日目に入って▲6三歩△5二金右のあと思わしい手がなくて、少し悪いのかもしれません」

――50手台での終局でした。

「最初からかなりの決戦になったので、そういう決着もあると思いました」

――次局以降の抱負をお願いします。

「また、気持ちを新たに頑張りたいと思います」

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豊島将之竜王に羽生善治九段が挑戦する第33期竜王戦七番勝負第1局は、16時12分に52手で豊島竜王の勝ちとなりました。消費時間は▲羽生6時間42分、△豊島7時間4分。
第2局は10月22・23日に名古屋市「亀岳林 万松寺」で指されます。
52手は竜王戦七番勝負での最短手数での終局となります(これまでの最短手数局は、第12期の第1局▲鈴木大介六段-△藤井猛竜王戦)。

2020100947図は▲6四馬と歩を取ったところ。△6七歩が厳しいため、豊島竜王が優勢になりました。すぐに終局してもおかしくありません。

Dsc_3429(対局再開時の羽生九段。このあと、何か誤算があったかもしれない)

Dsc_3462(豊島竜王は優勢なうえに方針が分かりやすい。白星スタートになりそうだ)