2020年10月の記事
終局直後
【羽生九段の談話】
――本局を振り返っていただいていかがでしたか。
「角換わりで、お互いに動き方や待ち方が難しい将棋でした。こちらも仕掛けていったあたりは、だいぶ迷ったのですが。他に適当な手が見つからなかったので、思い切っていきました」
―― 序盤はしっかり準備されてきた印象もありました。
「最近似たような将棋を先手で指したので、それを踏まえて、というところです」
――封じ手のあたりはどう見ていましたか。
「封じ手前後が手が広いところでしたので、どういう展開になるのか予測ができなかったです」
――2日目に入って激しくなりましたが、形勢のよさを感じたのはどのあたりですか。
「ずっと際どい展開で、難しい局面が続いていると思って指していました。最後の寄せがなんとか見えたところで勝ちになったかなと」
――これで1勝1敗のタイになりました。第3局への抱負をお願いします。
「引き続き、いい将棋が指せるように頑張っていきたいと思います」
――本局を振り返っていかがでしたか。
「途中から苦しい感じになってしまって。どこが悪かったのかは、ちょっとまだはっきりわからないですけど。▲3四桂(65手目)のところで▲3六飛とすれば長いのでしょうけど……」
――1勝1敗となりましたが、第3局の向けて抱負をお願いします。
「気持ちを切り替えて、また頑張りたいと思います」
羽生九段が勝って1勝1敗のタイに
第33期竜王戦七番勝負第2局は、96手で羽生九段が勝ちました。終局時刻は17時10分。消費時間は▲豊島竜王7時間28分、△羽生九段6時間57分。
この結果、七番勝負は両者1勝1敗。第3局は11月7、8日(土、日)、京都府京都市「総本山仁和寺」で行われます。
決め手を放つ
15時54分、羽生九段の放った△7六銀が「寄せの決め手」と控室の検討陣。▲8六歩には△7九角▲8八桂△8七歩で先手玉が寄り筋に。▲7六同飛も△同飛が△7九角▲8八合△9六飛▲同玉△9五飛までの詰めろ。後手玉は▲5一角に△4二銀で詰まず、後手勝勢と見られています。
「ここで▲5一角と打って、△4二銀▲同角成△同玉と銀を入手してから▲8六歩と手を戻せば、△7九角に▲8八銀と打てるので難しいかと思ったのですが、そこで△7八角がありました。以下▲7八同金は△同銀不成で必至です。△7八角は盲点になりやすい手で、もしかすると豊島竜王もうっかりされたかもしれません。この寄せがあっては、後手が勝ちになったと思います」(山崎八段)
杉本昌隆八段来訪
2日目午後のおやつ
15時を回り、対局者におやつが用意されました。注文は、豊島竜王が「フルーツ盛り合わせ」(檸檬屋)と「100% りんごジュース」(Banshoji Bar)、羽生九段が「フルーツ盛り合わせ」(檸檬屋)と「コーヒー」(Banshoji Bar)。
フルーツ盛り合わせとコーヒー。
【檸檬屋】
http://e-lemon.jp/
【Banshoji Bar】
https://bar.banshoji.jp/