2019年10月の記事

2019年10月12日 (土)

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豊島名人は図から時間を使って▲3五同角を着手。角を渡すのはかなり怖い順ですが、飛車の利きを通して勝ちにいった手です。広瀬竜王は▲同角に一瞬、下を向きました。豊島名人は残り7分、広瀬竜王は16分。


Dsc_0284(控室のモニター映像)

01_128_2124手目△7二桂は40分の長考で指されました。いまは図の局面で豊島名人が考えています。先手は左の押さえだった8四成桂が7筋に移動し、さらに金も加わって厚い壁になりました。形勢は先手がよくなったと見られています。ただ、先手も攻めだけ考えればいいわけではなく、自玉の安全度も考慮しなければいけません。考えることは多く、ここも長考になりそうです。

Dsc_9878 (128手目の局面で、豊島名人の残り時間は1時間43分)

01_123123手目▲8四成桂から局面は動いていません。広瀬竜王が長考しています。控室では「後手の第一感がない」という言葉がたびたび聞かれます。中村太七段は「後手の選択肢はいくつか見えるのですが、どれもやりたくない手」といいます。実際、それらの手を継ぎ盤で試してみても、後手がうまくいかないようです。17時2分、広瀬竜王の残り時間は20分になりました。そのことを聞いた島九段は「え、もうそれだけなんですか」。

Dsc_0252_2 (伊藤女流三段は先手をもって検討中。形勢判断も先手持ちのようだ)

Dsc_0256_2 (継ぎ盤の後手側には中村太七段。検討では、中村七段が悩む場面のほうが多い)

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後手の駒が先手玉に迫り、先手も後手玉を挟撃しようとしています。そろそろ終盤戦に入りそうです。▲8三桂成で残り時間は▲豊島2時間8分、△広瀬1時間2分。


Dsc_9938(2日目朝の豊島名人)

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現地では現在、中村太七段が大盤で解説しています。図はと金を8七から8六に引いた局面。中村太七段は以下▲2三歩成△7六と▲同歩△8五銀▲2二と△7六飛を予想し、「後手は入玉も視野に入れていると思います」と解説していました。このあたりの先手の駒が消えると、後手玉の上部脱出を阻む駒が少なくなります。


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「△9五香で決めにいったと思ったんですけど、(検討してみると)すぐには決まらない」と佐藤康九段。「後手は駒得で馬もできているのですが……」と中村太七段も首をひねります。後手ペースとはいえ、先手も頑張りがきく形のようです。


Dsc_0207(佐藤康九段は後手をもって検討中)

YouTubeチャンネルの「読売新聞オンライン動画」では、14時から橋本八段による解説を現地から動画中継しています。以下のリンクからご覧いただけます。

【第32期竜王戦第1局:広瀬竜王 対 豊島名人】
https://www.youtube.com/watch?v=7fxiy_oc8b8

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Dsc_0170(解説は橋本崇載八段)

Dsc_0161(聞き手は伊藤沙恵女流三段)