2015年7月の記事

2015年7月13日 (月)

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図は▲6五歩と先手が突いた局面。対局を終えて千葉幸生六段が中継室へ。
「角が近くてすぐに当たってしまうため、先手は攻めにくそうです。△5五銀▲6四歩△5四銀。そこで▲5五角△同銀▲6三歩成は△5四飛(変化図)とかわされますね。激しくなると薄さが目立つので、7筋の駒を使う余裕ができればいいのですが」と話している。

Dsc_0101 (中継室でモニターを見る千葉六段)

初代竜王・島朗九段が読売新聞掲載の竜王戦観戦記と編集手帳を題材に、将棋が含む礼節、日本語の美しさや、ものごとの熟達の過程を講義します。

主催・福島民友新聞社、読売新聞社、日本将棋連盟

会場・平成27年8月8日(土)福島民友社5Fホール

申し込み方法

往復はがきに氏名、住所、連絡先電話番号、お子様の学年を明記し、 郵便番号960-8648(住所不要)福島民友新聞社事業部内「竜王戦を読む」係まで。先着順にて締め切ります。

詳細は下記にてご確認ください。
【「竜王戦を読む」NIE in 福島のお知らせ】
http://www.shogi.or.jp/topics/event/2015/07/nie_in_1.html

070_2 (第24期竜王戦第4局、福島県福島市「吉川屋」で立会人を務めた島九段。文記者撮影)

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藤井九段は△4四銀に対し20分の考慮で▲7八角と自陣角を放った。△4五銀を消しつつ、飛車の打ち込みも防いでいる。もちろん3四の歩もかすめ取ることができる。4六の角をキープする自陣角だ。先手は攻めを受け止めて、どこかで▲6五歩と決戦を挑みたい。

Dsc_0076 (銀の出足を止められた永瀬六段。どのような手段で先手陣に迫っていくか)

藤井九段といえば第11期~第13期の竜王。掲載棋譜は藤井が3連覇を達成した第13期竜王戦第7局。8六の歩が最後の最後で明暗を分けた。将棋世界(2001年3月号)に観戦記「一歩竜王」を寄せた先崎学(現・九段)は将棋ペンクラブ観戦記部門の部門賞を受賞した。

第13期竜王戦七番勝負第7局
平成12年12月25日 
於・神奈川・鶴巻温泉・陣屋

持ち時間    ▲竜王 藤井  猛  
各8時間            △五冠 羽生 善治

▲7六歩  △3四歩  ▲6六歩  △8四歩  ▲6八飛  △6二銀  ▲1六歩  △1四歩
▲3八銀  △4二玉  ▲7八銀  △3二玉  ▲6七銀  △5二金右▲4八玉  △5四歩
▲3九玉  △5三銀  ▲4六歩  △7四歩  ▲2八玉  △8五歩  ▲7七角  △2四歩
▲5八金左△2三玉  ▲3六歩  △3二銀  ▲2六歩  △7二飛  ▲7八飛  △4四歩
▲4七金  △4三金  ▲3七桂  △4二銀  ▲8八飛  △7三桂  ▲5六銀  △3三銀右
▲2七銀  △3一角  ▲3八金  △9四歩  ▲6五歩  △5五歩  ▲同  角  △5四金
▲4五歩  △同  歩  ▲6六角  △4四銀  ▲4六歩  △2二角  ▲4五歩  △5五銀
▲同  銀  △同  金  ▲同  角  △同  角  ▲9八飛  △8六歩  (左図)
▲2五歩  △同  歩  ▲5六金  △2二角  ▲4四歩  △同  角  ▲4五金  △4二飛
▲3四金  △同  玉  ▲4五銀  △2三玉  ▲2四歩  △1二玉  ▲2三金  △同  銀
▲同  歩成△同  玉  ▲4三歩  △5二飛  ▲4四銀  △5七飛成 ▲2四銀  △3四玉
▲3五銀右△2三玉  ▲4二角  △同  金  ▲同  歩成△6六角  ▲8六歩  (右図)

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右図の▲8六歩と歩を取った手が先手の藤井竜王にとって大きな一歩。当時の将棋世界誌に掲載された先崎学(現・九段)の観戦記をやや長いが引用したいと思う。
「▲8六歩。驚くなかれ、この辺境の一歩を駒台に置いた瞬間、後手玉には受けがなくなった。一歩、いつも突き捨てたり打ち捨てたりしてぞんざいに扱っている一歩。しかし藤井には竜王を得るための命の一歩だった。まるで砂漠のオアシスのように、それは、そこにあった。ひっそりとおくゆかしくあった」

△1二玉  ▲2四歩  △2二金  ▲4三銀不成△3七竜  ▲同  金  △3九角打 ▲2九玉
まで、101手で藤井猛竜王の勝ち。 (消費時間=▲7時間51分、△7時間59分)

Txt101▲2九玉で藤井が竜王3連覇を達成して2000年を締めくくった。

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△3三銀に▲6六歩と突いたのが図の局面。▲6六歩までの消費時間は、▲藤井九段1時間27分、△永瀬六段1時間35分。
後手は△6九飛と飛車を打つのは▲7八角で飛車が一手で詰んでしまう。後手は▲6五歩がくる前に何か策を講じなければいけない。

Dsc_0022 (二歩得の藤井九段はじっくり駒を進めていく)

Dsc_0060001 (東京・将棋会館の1階では扇子や書籍などのグッズが販売されている。写真はできたばかりの平成27年度全棋士扇子。段位は今年の4月1日時点のもの。現役・引退棋士の署名が入っている)

Dsc_0052001 (本局の両対局者の著書も販売されている)

Dsc_0055(藤井九段が「無我」と揮毫した扇子)

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日本将棋連盟デジタルショップでも扇子やグッズは購入できます。
【日本将棋連盟デジタルショップ】
http://item.rakuten.co.jp/shogi/c/0000000117/

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▲7五歩の突き捨てを入れて▲4六角と打った局面。▲4六角に永瀬が52分使って昼食休憩に入った。消費時間は▲藤井九段46分、△永瀬六段1時間12分。対局は13時に再開される。昼食の注文は両者ともなし。

Dsc_0065 (昼食休憩中の特別対局室)

Dsc_0070 (先手の藤井九段側から見た盤面。永瀬六段の脇息の上にはハンカチが置いてあった)

Dsc_0042 (千駄ヶ谷盆おどり大会は今週の17日(金)18日(土)に行われる)

Dsc_0044_2(今年も若手棋士「東竜門」の将棋ブースを18日(土)に出店)
【せんだがや盆踊り大会2015、東竜門ブース出店のご案内】
http://www.shogi.or.jp/topics/event/2015/07/2015_9.html

Dsc_0047 (ただいま準備の真っ最中)

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Dsc_0002 (駒袋を開ける藤井九段)

Dsc_0011 (駒を並べる永瀬六段。9時25分頃には館内入りしていた)

Dsc_0036 (永瀬六段の2手目△8四歩に藤井九段が窓のほうへ視線を向ける。藤井九段が思考する際のいつものスタイル)