2014年10月の記事

2014年10月15日 (水)

指導対局が終わると、谷川九段と佐藤康九段はファンの希望に応じて色紙に揮毫。そんな中、森内竜王と糸谷七段は新聞を熱心に読んでいた。地元で最も大きな新聞である”Star-Advertiser”紙に今回の竜王戦開催を報じる記事が掲載されていたのだ。12時から予定されている記者会見が近づくと、イベント会場にメディア関係者が続々と姿を現す。両対局者はさまざまな記者から取材を受けていた。

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(”ハレクラニで絶対王者と若き挑戦者が戦う”と見出しが躍る)

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最初に行われたのは野月浩貴七段と石田直裕四段による模範対局。対局前の礼儀作法、駒の並べ方などが説明されていく。日本将棋連盟の職員が振り駒を行い、と金が3枚出て石田四段の先手になった。10時40分ごろに対局開始。戦型は矢倉になり、青野九段と井道女流初段が大盤解説をした。勝ったのは石田四段。終局後は両対局者を交えて感想戦を行った。

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ハワイ時間の14日では、9時30分にハレクラニからワイキキヨットクラブへ移動してイベントの準備に入った。ワイキキヨットクラブは会員制で、各種のボートを使った海上でのレジャーのほか、交流イベントの開催を行っている。開会までの時間、棋士たちは景色を撮ったり、思い思いに過ごしていた。ふと佐藤康九段のネクタイを見ると、野球をしている人のデザイン。下には読売ジャイアンツのロゴがあった。
10時過ぎにイベントの開会式が始まり、谷川九段があいさつ。予定されているのは模範対局と指導対局だ。

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2014年10月14日 (火)

18時過ぎから、ハレクラニ「Orchids」で夕食会が行われた。メニューは「竜王戦特別メニュー」と題されたものだ。

■竜王戦特別メニュー
・オーキッズサラダ ヒラバラグリーンとフルーツ添え、ザクロのドレッシング
・ロブスタービスク
・フィレステーキ、根野菜のローストとマスタードクリーム
・ハレクラニ特製ココナッツケーキ

メインディッシュのフィレステーキはこぶし大ほどもあり岩のようなたたずまい。歓談のうちに夜は更けていった。

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■歓迎の挨拶
ハレクラニコーポレーション 前田芳則 上席副社長

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■乾杯
日本将棋連盟理事 青野照市九段

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ラジオ出演を終えた三人は、夕食会までのわずかな時間を使ってショッピングセンターでアロハシャツを品定め。日本よりもサイズが2まわりほど大きく、そういえば石田四段は「サイズがなくて見つけるのに苦労しました」と言っていた。買い物を終えると、外は夕焼け。ハワイに到着してから長かった一日も、もうすぐ終わろうとしている。

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16時30分、地元ラジオ局「KZOO」の番組に出演するために関係者が移動。KZOOのサテライトスタジオはショッピングセンター「アラ・モアナ(Ala Moana)」の一角にある。alaは「道」、moanaは「大洋」という意味だ。待ち時間の間、アロハシャツを買いに来た野月七段、石田四段、井道女流初段に遭遇。アロハシャツはハワイでは正装とされる服だ。 17時、放送開始。道行く人が時折、足を止めて放送の様子を見る。外で見ていた石田四段が、通行人にこれは何をやっているのかと尋ねられる場面も。放送はおよそ30分。竜王戦がどんな棋戦かということ、両対局者の意気込みについてなどたっぷりと語られた。

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谷川「竜王戦は七番勝負を海外で行うことがあります。私も6回ほど経験しました。アメリカではロサンゼルスやニューヨークでも指しました。ハワイは日系人の方が多いですし、以前から将棋連盟の支部がありまして、熱心に活動されています。今回は地元の方々の協力をいただいて、ハワイで開催できることになりました。将棋連盟は棋士、女流棋士で対局と国内と国際的な普及発展に努めています」

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森内「アメリカは4、5回来ていますが、ハワイは初めてです。日本をたつときは海外対局ということで緊張感がありましたが、ハワイはとても開放的で、雰囲気がいいです。快適に過ごせています。竜王戦の開幕戦をハワイで戦えることを大変うれしく思っています。対局をきっかけに興味をもってくださればうれしい」

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糸谷「タイトル戦や海外旅行が初めてです。初めてのことが多く、ワクワクした気持ちです。森内竜王は素晴らしい実績を残されている先輩です」

谷川「対局者は日本からの時差を調整しながら対局に備えます。糸谷さんはすべてが初めてで大変と思うが、大変なことを最初に済ませば後が楽ではないかと思います。森内さんは十八世名人でして、昨年は9連覇中の渡辺明さんから竜王を勝ち取って防衛戦になります。糸谷さんは若いころから注目されていて、今回の竜王戦でタイトル初挑戦になります」

(書き起こし=銀杏)

15時からはハレクラニの一室で、14日以降のスケジュールについて打ち合わせを行った。14日は午前中に記念撮影や模範対局、昼からは記者会見、午後は指導対局などの予定が組まれている。

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(日本将棋連盟ホノルル支部、野田省三支部長)

ハレクラニはワイキキ(Wai-kiki)・ビーチのすぐそばに建てられている。waiは「水」、kikiは「噴出する」という意味が示す通り、昔のワイキキは水の豊富な湿地帯で、タロイモ栽培や稲作が盛んな地域だった。それを観光用に適した土地に変えるために埋め立てたのが1922年のこと。以後開発が繰り返され、高層ビルが林立するリゾート地になった。

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(ダイヤモンドヘッドをバックに記念撮影。左から青野九段、観戦記者の青島たつひこさん、井道女流初段、石田四段)

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空港を出ると強い日差しとさわやかな風が旅行者を出迎える。一行は地元支部の方と合流、バスを待った。ホノルル(Honolulu)はオアフ島にあるハワイ州の州都。ハワイ語でHono-は「入江」、luluは「静けさ、平穏、隠れ場、風の当たらない場所」という意味がある。コオラウ山脈によって強い風が遮られるため、海面がいつも穏やかであることからこう呼ばれたと言われる。

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(谷川浩司九段=左、森内俊之竜王)

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(糸谷哲郎七段)

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(佐藤康光九段=左、青野照市九段)

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(石田直裕四段=左、井道千尋女流初段)