2013年8月の記事

2013年8月 6日 (火)

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19時、対局再開。山崎八段は△7六歩▲同銀△7五歩(図)と玉頭に手をつけた。嫌みをつけてから3筋に手を戻すことで、反撃の味を作って一方的に攻められないように備えている。実戦は▲8七銀に△7四桂!と進んだ。

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異端の桂。「桂は控えて打て」というが、これは次に△6六桂と跳ねても迫力がない。歩がたくさんあれば△8五歩▲同歩△8六歩が厳しい筋だが、現状は歩切れだ。

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山崎八段は△7五歩(図)と先手陣をひっかいた。後手は桂得なのだが、思いのほか手が難しい。たとえば▲同歩で手が返ってくるとどう指すのか。

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郷田九段は桂損でも指せるという判断のもとに、左図から▲4五銀と出たことになる。それが正しいなら、なんという慧眼だろう。山崎八段にとっては本局の進行で悪くなるなら、△5五歩と打った手が「お手伝い」ということになる。それだけは許せないはずだ。

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一直線の順に進んでいる。先手は2筋を取り込み▲2五桂(図)と跳ねたが、△4五歩▲3三桂成△同桂▲4五歩と進むと先手桂損だ。後手の歩切れが先手の頼みの綱。駒損を挽回することはできるだろうか。実戦は△4五歩▲3三桂成△同金▲4五歩(下図)と進んだ。

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先手は桂損で玉も堅くはないが、後手陣がまとめにくいことが主張だ。後手は3筋が手薄く▲3五歩△同歩▲3四歩と玉頭を狙っていく手が効果的になる。▲2三銀と打ち込む強手もありそうだ。後手としては自陣に手を入れて攻めに備えるか、攻め合いに持ち込むか。方針が問われる局面になっている。

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Kifu_41

山崎八段は△5五歩と位を押さえた。先手が銀を引くなら、持久戦にして満足という狙いだ。郷田九段は▲4五銀(図)と気合よく前進。決断の一手だ。というのも、△6三銀と引かれると次に△4四歩で銀が取られる格好になってしまうからだ。はたして山崎八段はすぐに銀を引いた。先手は銀を取られる前に急いで攻めなければならない。うまい手段はあるだろうか。
先手はものすごく忙しいが、いいパンチが入れば後手もダウンしてしまう。どちらにとっても怖い局面。この攻めの成否が形勢を分ける。勝負どころを迎えている。

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Kifu_38

15時、図の局面で郷田九段が時間を使っている。中継室には吉田正和五段が訪れているが、「先手がどう指すか難しい」と話す。「▲4五銀とぶつけたいのですが、△6三銀と引かれて大したことがなさそうです。後手は金をくっつければいいので指し手がわかりやすいですね。先手はどうやって角を使うかが問題です」と吉田五段。
後手は△5一金~△4二金上~△8四角と進めれば攻守ともに満足の構えになる。機を見て△6五歩と戦いを起こせばすべての駒が働く展開になる。対する先手は後手の態勢が万全になる前に動きたいところではあるが、囲いが薄く不安が残る。また、角がなかなか参加しにくい形で、ここから駒をどう使っていくかがポイントになりそうだ。

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昼食休憩後の再開から、▲5五歩△同角(図)と進んだ。これは歩を交換しつつ角の転換を目指した穏やかな順。代えて△同銀と取っていれば衝突が起こる可能性が高かった。実戦は図から▲2六歩△2二銀▲2五歩△3三銀▲5六銀△4四角(下図)と進行。

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角の転換だけで考えれば△6四角や△7三角と逆サイドに引きたいところだったが、それには▲2四歩△同歩▲同角△同銀▲同飛(参考図)の強襲が気になったのかもしれない。

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角銀交換の駒損だが、2筋が受けにくい形だ。

本譜は後手が慎重な順を選んだことで、駒組みが続いている。