2013年8月の記事

2013年8月 9日 (金)

前図より△7二金打▲1一竜と一呼吸を置いて今度は佐藤九段が攻める番。△8六歩▲同銀に再度△7四桂と打った。対して▲8七香もありそうだったが、郷田九段は▲8二歩△同金▲7一銀の切り合いを選んだ。

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この手は詰めろなので受けるしかない。△7二金左が自然に見えたが、佐藤九段は△6一飛と受けた。手番を渡さない強気の受けだ。

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▲3三歩から駒を取り合い△4七同銀成となった局面。ここで郷田九段が、ついに▲8四歩と突きだした。以下△5七角▲8三歩成△同銀▲9五桂△9四銀打▲4一飛△3九角成▲7一飛成と進んだ。

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激しい駒の取り合いが続いている。今は郷田九段が攻めているが、手番を握れば後手からは

△8六歩▲同銀△8七歩のような反撃がある。

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20時53分、佐藤九段は△7四桂と打った。
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現状、6六角の働きがいいので▲1一角成とされても追うべきという判断だ。

▲1一角成△4七角成▲3三歩△4八馬では先手が悪いのか、郷田九段は単に▲3三歩と更に当たりを増やす。盤上4枚の大駒のうち、3枚までが当たりになった。

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(再び中継室を訪れた吉田正和五段。この中継を見ているところ)

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20時頃、郷田九段が▲6六角と打った局面。先手は▲4六歩とは取り切れなかった。

この手は▲3三歩を見せながら、先手の3九飛にひもをつけた手だ。銀と角が当たっているので、後手からすれば止まることは許されない。佐藤はどんな手を生み出せるか。▲6六角までの消費時間は▲郷田九段4時間14分、△佐藤九段3時間43分。

この局面で佐藤九段が動かないまま20時30分を過ぎた。持ち時間は5時間なので、両者とも残りは1時間を切っているはず。最後の長考となりそうだ。

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(先手の郷田九段)

19時22分、郷田九段の夕食休憩明けの一手は▲3三歩だった。銀当たりのまま、更に2枚の飛車が当たりになる。後手が攻めを繋げて攻め合いになった。

中村太地六段が中継室に来た。そこで△3三同桂▲3九飛△4五桂▲4六歩△4七角成と進むと「先手がまずいかもしれません」と話した。

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(中村六段が話した図。▲4七同銀は△3九飛成があるため受けづらいか)

そう進み、後手がいいのだとしたら、佐藤九段の△3七歩▲同桂△3二角の手順が絶妙だったということになる。

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(19時頃の空)

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18時10分、この局面で郷田九段が9分使って夕食休憩に入った。消費時間は▲郷田九段3時間16分、△佐藤九段3時間36分。夕食の注文は郷田九段はとり丼(ふじもと)、佐藤九段はなし。対局再開は19時。

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51手目の局面。ここから佐藤九段が△3七歩▲同桂△3二角と細かく動いた。

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▲3二同角成△同飛▲4六歩△3六飛と飛車を捌くのが狙いでこうなれば振り飛車がよくなっている。郷田九段は▲同角成△同飛に▲4五桂と跳ねて銀の取り合いを避けた。

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後手は4六銀が取られそうなので忙しい展開が続く。

片上大輔六段が中継室に来訪。

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上図から▲4一角△3三飛▲3四歩△同飛▲2三角成△3三飛▲同馬△同桂▲3一飛と進めると、

「美しい形だから先手が指せるんじゃないですか」

本譜は17時30分過ぎに▲4一角と指された。

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(iPadを持つ片上大輔六段)

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2013年8月8日にiPhone『羽生善治の将棋のお手本』の新たなアプリが配信された。

http://www.shogi.or.jp/topics/2013/08/iphone-1.html