2013年8月の記事

2013年8月15日 (木)

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19時になり、対局再開。森内名人はすぐに△6二銀と指した。以下▲7八金と引き、ぱたぱたと指し手が進み始めた。後手の郷田九段の持ち時間は残り1時間を切っている。

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Ryuou201308150101_49図の49手目▲6六歩の局面で夕食休憩に入りました。消費時間は▲郷田3時間59分、△森内3時間2分。
駒組みが続いています。先手は2七銀をどう使っていくか、後手も攻めの形をどのように整えていくかが課題といえそうです。どこから戦端が開かれるのかも注目です。

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郷田九段は53分の長考で▲4六銀(図)と上がった。先手は少しずつ駒の位置を調整し、前線を押し上げている。対する森内名人も長考で△7四歩と応じた。
控室の窪田六段が予想していたのは図から△4四歩。以下▲2六銀なら△4五歩と突き、(1)▲3五銀左なら△5四飛(A図)とひらりとかわす。(2)▲3五銀右には△4六歩▲3四銀△4七歩成(B図)と勝負する。

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A図では先手は二枚の銀が凝り形。次に△3四歩で銀を取られる手も見えている。

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B図で後手は飛車を取られたものの、盤上の急所にと金を作る手が厳しくお釣りが来るほどだ。先手もこうなると陣形の差がひどい。

本譜の△7四歩は、こうした先手の銀に働きかける順とは方向性が異なる。森内名人の意図はどこにあるのだろうか。

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局面の進行はスローペース。郷田九段がたっぷりと時間を使っている。棋譜用紙を見ると、20分以上のまとまった考慮時間が何回も記録されている。消費時間の通計は202分、つまり3時間22分。残りは1時間と38分。18時10分の夕食休憩までに、残り1時間を切ることもあるかもしれない。

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森内名人が△7四飛で歩を狙うと、郷田九段は▲7七金(図)と上がって守った。先後を逆にすれば、▲3六飛~▲7六飛のタテ歩取りと部分的には同じ形だ。見ての通り守備側は金が上ずり悪形になる。このことから、ひねり飛車は石田流に「手持ちの歩」と「後手の囲いの弱体化」という要素をプラスした「必勝戦法」として猛威を振るった。しかし時が経つにつれ、「狙われるのなら歩を突かなければいい」という発想が生まれ、対ひねり飛車側は低く堅い陣形を構築できるようになり、ひねり飛車の勝率は落ちて徐々に廃れていった。
本局もひねり飛車を受ける側の陣形がバラバラだが、図で△3四飛には▲4六銀~▲2六銀と二枚の銀を繰り出して位を攻める手段があるため、事情は異なっている。