2012年9月の記事

2012年9月 6日 (木)

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棋士室ではしばらく先手変調の手が目立っていると言われていましたが、119手目▲1五桂(2三にいた銀に当てた一手)辺りから改めて先手よしの見解に戻って行きました。現局面は先手の入玉を防ぐ手段が見当たらないようです。22時20分頃、残り時間は▲山崎13分、△丸山9分。


(虹)

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両者の残り時間も短くなり、互いに指し手のペースが上がっています。山崎七段は入玉含みの指し回しを見せていますが、丸山九段の攻め駒の勢いも次第についてきたようです。棋士室では途中まで先手優勢と言われていましたが、現局面ではその雰囲気はなくなってきました。形勢接近の模様です。


(虹)

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畠山鎮七段と稲葉六段がメインとなって図の局面が検討されています。主に2つの変化が示されました。


_90a90手目△5五角から(1)▲5六香△4四角▲7七香△3五歩▲2七銀△5四歩(変化A図)は、先手の攻め駒である5六の香を逆に責められて少しアヤが出るかもしれないとのことです。


_90b戻って90手目△5五角から(2)▲4六銀打の方が手堅いのではと言われています。以下△4四角▲7七香△6五桂▲6八銀△6六角▲6七玉(変化B図)で、後手の攻めを切らせそうとの見解です。


(虹)

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図は21時20分頃の局面。棋士室ではここで▲7九香が手厚く先手よしと言われています。以下△5五角(次に△3六角▲同歩△2八角成の狙い)に▲5六香と自陣に2枚目の香を投入してさらに手厚く指すのが有力視されています。


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(21時20分頃の棋士室。昼過ぎに退室した村田顕弘五段が再度訪れ、また大石直嗣四段も新たに参加している)

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(検討されていた▲7九香が継ぎ盤には並べられている)

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(左:村田顕五段 右:大石四段)

(虹)

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図の▲9二竜に対して平藤七段は「当然ですが手堅い一着です。他に最善があってもこう指したいところ」との見解を示しました。1手前にこの竜は9五にいたため、△9四歩▲同竜△9三歩▲9五竜△3六角▲同歩△9四銀の後手の狙いを外した意味があります。▲9二竜までの消費時間は、▲山崎4時間0分、△丸山4時間34分。


(虹)

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検討が進み、図の局面から▲8五歩△8七歩成▲8四歩△7二銀▲8三歩成△同銀▲8五香△8四歩▲同香△同銀▲8二飛△7二角▲8四飛成△8三香▲9五竜△7七と(変化A図)の手順が調べられています。


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ここからさらに▲7七同金△9四歩▲同竜△8七香成▲8三銀△7七成香▲7二銀不成△同金(変化B図)と進んでどうか、と言われています。


_70bこの進行は先手の手段が多く、後手はよくても互角の分かれだろうと見られています。


(虹)

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指し手が難しいと言われている局面で丸山九段が選んだのは△8六歩でした。この手は継ぎ盤でも現れたものの、続く有力手段は発見されませんでした。△8六歩までの消費時間は、▲山崎3時間26分、△丸山4時間20分。


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(丸山九段の脳内盤にはどのような構想が描かれているのだろうか)

(虹)

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時刻は20時頃。丸山九段が1時間近くの長考に沈んでいる。棋士室でも、会館4階の検討室でも、後手の候補手はなかなか示されない。それだけ後手にとって難解な局面ということだろう。


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(谷川浩司九段(写真右)が検討に参加している。後手の手段が難しく、畠山鎮七段とともに頭をひねっていた)

(虹)