2008年12月4日の記事
[43手目]どこで▲3五歩を突くのか
福崎九段に解説していただきました。
「先手は矢倉が完成して、ここから攻めていくことになります。『攻めは飛角銀桂』と言いますから。
ここからは読みの世界。駒がぶつかると変化が多いので考えることになりますね。
ここで羽生さんがおそらく守りの手を指して、渡辺さんが攻めの手を指すことになるでしょう。攻めの手というのはすなわち歩を突くことです。例えば▲3五歩△同歩▲2五桂。飛角桂が3五に虫眼鏡のように集中しています。
でも後手も全軍で守っているので大変です。駒を渡すと反撃を受けますから。攻めたら駒得するとか駒が成れるとかプラス面を見出さないと、ただやみくもに攻めてもいけません」
「あ、△4二銀と引きましたねー。これで渡辺さんが▲3五歩といくかどうか。今やるのか、それとももっといいことが起こる…自分のほうが堅くなる、相手の陣形が崩れるとかなら、待ったほうがいいですね。単純そうに見えて、駆け引きがあるんですよ。人間同士がやっていますから。じゃんけんでも単純だけど、結構考えるでしょ?
待つなら▲9六歩か▲9八香。▲9六歩は懐が広くなりますが、後手からの端攻めも生じるので、▲9八香でしょうか。
完成した家にいくら色を塗っても変わらないのと同じで、局面もこれ以上よくはならない飽和状態があります。飽和状態になったら▲3五歩ですね」
(翔@白浜)
1日目昼食休憩
対局場・むさし
対局場と周辺
10時50分頃の控え室
[25手目]先手が目指す形とは
久保八段に現局面を解説していただきました。
久保「先手はここから▲3五歩△同歩▲同角~▲3六銀~▲3七桂と組むのが理想形です。▲6八角と上がる一手を省略して玉を囲えるのが大きいですね。例えばここ(左図)で△4三金右なら▲3五歩△同歩▲同角(参考図)と進行します」
久保「これ(参考図)は先手の作戦勝ちですね。後手はこの形を阻止するために、(上図から)△6四角と上がって、▲3五歩を防ぎます。先手は▲4六銀~▲3七桂と駒組みを進めます。後手は同じことをしようとしても、後手の上に△8四歩と突いているので間に合いませんから、先手の駒組みをけん制する感じの指し方になりますね」
△6四角に▲3五歩は、△同歩▲同角に△3六歩▲4六銀△4五歩(参考2図)と、角のラインを生かして攻められる手が残ります。
(翔@白浜)
10時のおやつ
[21手目]局面は相矢倉に
局面はすらすらと相矢倉の進行です。
相矢倉は今シリーズでは第2局に続き2度目の登場です。
本局では、ブログ上で級位者向け解説も行う予定です。