2008年12月 4日 (木)

[43手目]どこで▲3五歩を突くのか

081204_43 福崎九段に解説していただきました。
「先手は矢倉が完成して、ここから攻めていくことになります。『攻めは飛角銀桂』と言いますから。
 ここからは読みの世界。駒がぶつかると変化が多いので考えることになりますね。
 ここで羽生さんがおそらく守りの手を指して、渡辺さんが攻めの手を指すことになるでしょう。攻めの手というのはすなわち歩を突くことです。例えば▲3五歩△同歩▲2五桂。飛角桂が3五に虫眼鏡のように集中しています。
 でも後手も全軍で守っているので大変です。駒を渡すと反撃を受けますから。攻めたら駒得するとか駒が成れるとかプラス面を見出さないと、ただやみくもに攻めてもいけません」

081204_44「あ、△4二銀と引きましたねー。これで渡辺さんが▲3五歩といくかどうか。今やるのか、それとももっといいことが起こる…自分のほうが堅くなる、相手の陣形が崩れるとかなら、待ったほうがいいですね。単純そうに見えて、駆け引きがあるんですよ。人間同士がやっていますから。じゃんけんでも単純だけど、結構考えるでしょ?
 待つなら▲9六歩か▲9八香。▲9六歩は懐が広くなりますが、後手からの端攻めも生じるので、▲9八香でしょうか。
 完成した家にいくら色を塗っても変わらないのと同じで、局面もこれ以上よくはならない飽和状態があります。飽和状態になったら▲3五歩ですね」

(翔@白浜)