2007年11月の記事

2007年11月27日 (火)

本局で使用される駒は伊藤久徳作の源兵衛清安(太字)。

平成4年8月に作られたもの。以下は、この駒が用いられた対局一覧です。対局場は全て「ほほえみの宿 滝の湯」。

平成5年12月9日~10日
第6期竜王戦第6局 羽生竜王-佐藤七段(佐藤勝ち)

平成6年12月8日~9日
第7期竜王戦第6局 佐藤竜王-羽生名人(竜王の間の完成杮落とし、羽生が勝って六冠達成)

平成11年11月4日~5日
第12期竜王戦第3局 藤井竜王-鈴木六段(藤井勝ち)

平成12年12月14日~15日
第13期竜王戦第6局 藤井竜王-羽生五冠(羽生勝ち)

平成14年12月18日~19日
第15期竜王戦第5局 羽生竜王-阿部七段(阿部勝ち)

平成16年12月15日~16日
第17期竜王戦第6局 森内竜王-渡辺六段(森内勝ち)

平成19年12月13日~14日
第17期竜王戦第6局 渡辺竜王-佐藤棋聖(佐藤勝ち)

【和食】

ふぐ焼霜、北海つぶ、金目鯛、甘海老、すずき、あしらい、浅漬け、山形名物日本そばぶっかけ(なめこ、オクラ)、焼味噌おにぎり

【洋食】

蒸鮑とサーモンマリネ、ステック野菜、甘鯛のたらば蟹ムース(帆立貝、二色ソース)、山形和牛ヒレステーキボルドレーズ温野菜添え、季節のフルーツとラ・フランスアイスクリーム

【中華】

ミミガー、焼茄子、トマト、軟骨、エンダイブ、アボガド他(オリジナル中華油淋ソース)の料理
海老、紋甲烏賊、エレンギ、しめじ、チンゲン菜、彩りピーマン、こがしかきソースの料理
砂肝、海つぶ貝、にんにく芽、ピリ辛味噌の料理

(ほほえみの宿 滝の湯 調理部謹製)

(烏)

対局場検分は、17時から行われました。

盤と駒は「ほほえみの宿 滝の湯」所有の物。盤は昭和59年に行われた第23期十段戦第3局、中原誠十段ー米長邦雄王将(当時)で使用されたものです。駒は、伊藤久徳作の源兵衛清安です。盤駒の問題はなかったもの、渡辺竜王が「もっと大きな脇息はありますか?」と注文をつけました。もうひとつ候補の脇息を出してもらい比較してみたところ、見た目や安定感で最初に用意されていたほうに落ち着きました。

前夜祭は、18時半からです。

(やまぶき)

11月28日、29日に第20期竜王戦七番勝負第5局が行われます。場所は、将棋の駒の生産地としても名高い天童市。
第4局を勝った渡辺竜王は、3勝をし、防衛まであと1勝。一方の佐藤二冠は、後がなく、苦しいながらも、この踏ん張りどころで勝って、反撃の狼煙をあげたいところです。

 さて、こちらのサイトでは、七番勝負の模様を画像と文章でレポートします。第20期竜王戦中継サイト の中では、説明しきれない詳細情報や周辺的な捕捉情報を掲載しております。ぜひご覧下さい。

2007年11月22日 (木)

感想戦のポイントです。
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第1図は53手目▲8六歩まで。
この数手前に打たれた△5四角が絶好の位置で、「ここでは自信がなかったです」と渡辺竜王。しかし、佐藤二冠は1日目の時点で局面に不満があったようです。封じ手の局面を検討しているときに「マイナスの手しかないと思った」とまで語っていました。

ここで△6五歩▲同歩△同桂が両対局者の気付かなかった手順。以下▲6七金には△4五桂▲同歩△3三銀▲3五歩△3四銀▲同歩に△6四角が藤井九段指摘の好手(参考図)。

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▲6四歩などの嫌味を消しつつ、
▲6六歩には△5六歩を狙って味のいい攻防手です。「大変ですね」と渡辺竜王。
プロの感覚では穴熊を攻めるために桂馬を8・9筋に使いたいので、
△6五歩▲同歩△同桂の筋は盲点になるようです。
△6五同桂の攻めは将棋連盟の職員の方が発見した手だったそうで
「プロは考えにくい。アマチュア的」という両対局者。
しかし、検討を進めてみると「▲8六歩と突いちゃったので、(△6五同桂の筋は)理に適っていますね。見えないですね」と感心していました。

この後は少しずつ渡辺竜王がリードし、73手目▲7五歩が決め手。
「あっち(8七)に使うのを全然うっかりしていました」と佐藤二冠。
ここからは検討することなく、スラスラと手順を並べるだけでした。

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(本局の棋譜用紙です)

(銀杏)

両対局者の終局直後の談話です。

渡辺竜王の話
「角を打ち合ったところは自信はなかったです。と金ができてなんとかなるかなと思いました。角が使えてからはうまくいったかなと思います。(防衛まであと1勝ですが、という問いに)引き続き頑張りたいです」

佐藤二冠の話
「1日目から作戦負けっぽかったですね。もう少し早く動かなければいけなかったかもしれません。(次局は?との問いにしばらく考えてから)…闘志を燃やして指したいと思います(言い終わった後、首を傾げわずかに顔をしかめた)」

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(笑顔の多い渡辺竜王(左)。首を傾げる佐藤二冠(右))

(桜木)

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(ぐるりと報道陣が取り囲む。渡辺竜王には衛星放送のマイクが向けられている)

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(渡辺竜王)

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(佐藤二冠)

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(インタビューが終わって感想戦がはじまる)

(桜木)

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(終局直後の対局室。報道陣がなだれ込んだ)

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(勝った渡辺竜王。3勝1敗で4連覇まであと1)

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渡辺竜王。「自信はなかったけどと金が残ってなんとか…」)

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(佐藤二冠。追い詰められて硬い表情)

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(佐藤二冠。「1日目から作戦負けだったかもしれない」)

(桜木)