乾杯後は高島屋のフロントの片山佑香さんと高島あずみさんから両対局者に花束が贈られ、続けて両対局者による決意表明がありました。
(両対局者に挟まれた左の方が片山さん、右の方が高島さん。高島さんは女将のご令嬢)
皆さま、改めましてこんばんは。第89期棋聖戦第4局の前夜祭をこのように盛大に温かく開催をしていただきまして、誠にありがとうございます。地元の新潟市岩室温泉の皆さま、本当に厚く歓迎していただいて、ありがとうございます。この棋聖戦を長きにわたって主催をしていただいております産経新聞社様、また、今年から特別協賛という形でヒューリック株式会社様にもご協賛をいただいております。あわせてお礼を申し上げたいと思います。先ほどのご来賓の方のあいさつにもありましたように、高島屋さんでの棋聖戦はすでに30年以上の長きにわたって継続していただいております。まさに将棋の宿だと思っております。また私が小学生ぐらいの時に将棋の雑誌を読んでいた頃から、棋聖戦というとこちらの場所で開催をされていたということで、そういう意味では棋聖戦の歴史の大きな道のりといいますか、それを象徴する場所なのではないかなと思っています。個人的にはここの場所でも数多くの対局をする機会に恵まれました。自分にとっても非常に思い出深い場所でもあります。明日からは豊島さんという非常に若い人との対局になるわけですが、自分の持っているものを出し切って悔いの残らないような対局ができればいいなと思っています。皆さま方には大変お世話になります。どうぞよろしくお願いいたします。
皆さまこんばんは。多くの方にお集まりいただき、温かい歓迎をいただきましてありがとうございます。高島屋さんには3年前にきて以来、2回目になります。前回もそうだったのですが、数々の名局が指されてきた場所で自分が対局するということが不思議なようにも感じますし、またとてもうれしく思っています。明日は自分にもプレッシャーが掛かってきて難しい対局になるとは思うんですけれど、自分らしく思いきりよく決断よくということを心がけて自分の力を発揮できるように頑張りたいと思います。関係者の皆さまと地元の皆さまにはお世話になります。よろしくお願いいたします。
(睡蓮)
18時から、前夜祭が盛大に執り行われました。
非常に胸が高鳴っておりまして、この日がくるのを待ちに待っていました。羽生先生におかれましては国民栄誉賞を受賞されてから初のご来館ということで、本当にありがとうございます。このシリーズでタイトル獲得通算100期に挑むということもございます。豊島八段におかれましては初タイトルに王手を掛けていらっしゃるということで、非常に緊迫した一番ということで非常にドキドキしているところでございます。
燕市は分水町と合併して燕市になったわけですが、原田泰夫九段が分水町出身ということと、高島屋の女将が燕市出身というご縁で、毎年この棋聖戦の前夜祭に参加させていただいております。最初にお邪魔した3年前が羽生棋聖と豊島当時七段との対戦でした。
(堀晃和・産経新聞東京本社編集局文化部長による主催者あいさつ)
第4局がこの高島屋で行われますことを主催者として、また個人的にも大変うれしく思っております。私事になりますが、四半世紀前に記者の駆け出しの頃、4年間この地で暮らしました。明日の対局の主役は両対局者のお二方だと思っております。ですが、タイトル戦を開催するに当たって対局会場の、そして地元の厚いご支援がないとこのように立派な対局を組むこともなかなか難しいと思っております。このように長く続いている宿というのも、なかなか珍しいと思います。
立会人を務めておられる屋敷九段とは、1990年に高島屋さんで棋聖戦を戦わせていただきました。28年前ですから、豊島さんが生まれた頃ですね。私が当時24歳で、屋敷さんがまだ10代でしたね。お互い歳を取りましたね。自分より二回りも若い豊島さんが挑戦者として羽生さんに立ち向かうという場に立ち会わせていただくことを非常にうれしく思っております。明日は名局・激闘が誕生しますことを皆さんとともに期待しています。
この岩室温泉の高島屋で素晴らしい日を迎えることができることに感謝しております。
この岩室温泉は国民保養温泉地です。昭和38(1963)年に指定されまして、この温泉地は300年前から続いています。高島屋は江戸から続いた庄屋屋敷の佇まいを持った旅館で、国の登録有形文化財に指定されています。旅行される際は岩室に足を向けていただきたいと思います。
(睡蓮)