藤井聡太棋聖に服部慎一郎七段が挑む、ヒューリック杯第97期棋聖戦五番勝負は開幕戦を迎えます。タイトル初挑戦の服部七段に対し、藤井棋聖は7連覇を目指します。第1局は6月4日(木)に千葉県木更津市「龍宮城スパホテル三日月」で行われます。
立会人は木村一基九段、副立会人は佐々木大地七段、記録係は吉田響太三段(所司和晴八段門下)。大盤解説会(申し込み締め切り済み)は鈴木大介九段、小窪碧四段、竹部さゆり女流四段、内山あや女流二段が務めます。また、現地のプレミアム解説は佐藤康光九段、野原未蘭女流二段が担当します。
持ち時間は各4時間。対局開始は9時。昼食休憩は12時から13時。おやつの時間は10時と15時。第1局の先後は振り駒によって決定されます。
本局の中継は棋譜・コメントを紋蛇、中継ブログを胡桃が担当します。どうぞよろしくお願いいたします。
【主催:産経新聞社】
https://www.sankei.jp/
【主催:日本将棋連盟】
【特別協賛:ヒューリック】
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(胡桃)
【挑戦権を獲得した服部七段へ共同記者会見の一問一答】
――本局を振り返ってください。やはりメインになるのは終盤戦でしょうか。
服部 序盤は雁木で力戦模様の難しい将棋でした。中盤あたりもすごく難しく、そこでバランスを取りきれなかったのかなと思います。崩してしまって終盤は苦しい時間が長かったですが、△7九銀とか少しでもプレッシャーを掛けてと。でも最後は足りないのかなと思っていました。
――挑戦は無理だったかなという思いもあったのでしょうか。
服部 そうですね。▲5一飛(143手目)と打たれるところで▲4三金なら詰みだと気づいていたので、どこまでいっても足りないのかなと思っていました。
――▲5一飛であれっという感じだったのでしょうか。
服部 金銀をたくさん持たれていたので詰みなのかなと思ったのですが、読んでいくうちにもしかしたら上が抜けるのではと思っていました。
――最後まで粘り強い服部将棋で、最後までよさが出たのでしょうか。
服部 終盤は勝負勝負でいけたと思いますが、中盤は自分の課題でもあるバランスを取りきれなかったです。
――タイトル初挑戦になります。率直な気持ちは?
服部 苦しい時間が長かったので、対局の途中で今回もダメだったのかなという思いがあったので、今は驚いています。ただ、シンプルに藤井棋聖と戦えるのはうれしいです。
――藤井棋聖とは1勝1敗です。どんな印象がありますか。
服部 2局とも早指し棋戦で、長い持ち時間でやっていないのですが、2局とも精度の高い将棋で、序中盤からスキがない印象です。
――こういった対策をしないといけないといったところはありますか。
服部 自分は中盤で崩れてしまうことが多いので、開幕までに読みなどをしっかり鍛えておかないといけないと思っています。
――持ち時間4時間の1日制については?
服部 早指しのほうが向くのですが、やってみないとわからないところもあるのかなと。
――五番勝負に向けて。
服部 開幕までに実力を蓄えていい準備をしてタイトル戦を盛り上げられるようにしたいです。
――趣味のお笑いで培ったものが将棋に生きていることはありますか?
服部 以前、冨田(誠也)五段とM1に出たのですが、そこからは活動もなく、イベントでできればいいなと思います。ネタ作りが楽しかったのでいい気分転換になっていると思います。
――挑戦者決定戦を戦った羽生九段の存在について。
服部 将棋界を代表される先生で尊敬もしています。ABEMAトーナメントで初めて対戦したときに、自分はまだ四段だったのですが、対局開始前のお辞儀がとても深くてすごくいい先生だなと感じました。将棋は目標にしていますし、人柄も目標にしています。内容がというところはありますが、勝てたのはすごくうれしいことです。これまでの対羽生戦はすごく苦戦していたので、ひとつうれしいことだと感じています。
――2020年デビューで、すぐに叡王戦の挑戦者決定戦に進出しました。初の挑決から5年掛かりましたが、どう受け止めていますか。
服部 あのときは楽観的で。負けて悔しかったですが、チャンスはまたすぐに来ると思っていました。それからはベスト4もいかなかったので、大きな勝負は1回逃すとなかなか来ないんだなと思っていました。
――藤井棋聖と五番勝負で戦えるという気持ちはいかがですか。
服部 早くタイトル戦に出たかったので、戦いたいという気持ちが強いですね。
――この挑戦をまずはどなたに報告したいですか?
服部 地元の富山の方に報告したいと思っています。
――新人王戦3連覇のときに、自分とトップとの違いは読みの精度という発言をしていました。現在はいかがですか。
服部 いまもまだまだ課題は残っているのかなと感じています。
――タイトルを取りたいという気持ちについてお聞かせください。
服部 藤井棋聖は強いですが、やっぱりタイトル戦に出場するからには取りたいと思っています。
――藤井棋聖は年が明けてから王将戦と棋王戦をフルセットで防衛しました。名人戦も進行中です。最近の藤井棋聖のタイトル戦を見てどう感じますか。
服部 両方ともカド番に追い込まれてからの5連勝でした。内容的にもすごい強かったですし、あらためて勝負強さを感じましたので参考にしたいと思っています。名人戦も2局ともスキのない指し回しで、あらためて強いなと感じています。
――羽生九段との挑戦者決定戦を控えて、どんな日々を過ごしてきましたか。
服部 1週間前の高見戦(泰地七段)を終えてからは特別な感じでした。棋士ならばどの一局も頑張らないといけないのですが、今回はちょっと違う感じがしていて、この一番に懸ける思いというのはずっとありました。対局中はしびれて大変なんですが、こういった勝負をこれからも増やしていきたいです。
――富山にタイトルを持ち帰りたいと語っていました。地元の応援をどう感じていましたか。また、どう期待に応えていきたいですか。
服部 富山の方の応援は日頃から力になっていて、これからもいい将棋を指して少しでも地元に貢献できればと思っています。自分が子どもの頃は将棋をやっている子が少なかったので、これをきっかけに将棋を好きになってくれる子が出ればいいなと思っています。
(共同会見から抜粋)
(琵琶)
【タイトル初挑戦を決めた服部七段の談話】
――振り駒で後手番になりました。後手になったら雁木にする予定でしたか。
服部 そのプランでした。
――序盤の立ち上がりはいかがでしたか?
服部 早い段階で激しい攻め合いになったので、ずっと難しい将棋だと思っていました。△8六歩(54手目)と打てているので主導権が握れていればと思っていましたが、桂を取られていますし、玉が薄いのでバランスを崩さないようにと思っていました。
――羽生九段の積極的な攻めに対して服部七段も攻め合いに出ました。
服部 ▲2四歩(35手目)と突かれたら仕方がないかなと。▲3七桂なら穏やかな将棋になるのかなと思いましたが、▲2四歩でしたので。△4二金右と寄る手はあるかなと思いましたが、受けてもどうかと。桂損の間に拠点を生かしてと思っていました。後手は△8五歩(38手目)と伸ばさないと攻めにならないので、仕方がないかなと思っていました。
――中盤以降は羽生九段の攻めが奏功する進行でした。終盤にいくにつれての形勢判断はいかがでしたか。
服部 けっこう難しいと思ったのですが、そこから数手でバランスを崩してしまって。△2六歩(78手目)と打ったのが中途半端でちぐはぐだったのかなと。▲6五桂(79手目)に△4四角と上がらないといけなかったかもしれません。気づいたらこちらの攻めが間に合わなくなって後悔していました。
――終盤は危うい感じになったようでしたが。
服部 最後の最後まで足りないと思っていました。▲1五銀に△3六玉(150手目)と寄って、もしかしたら詰まないのではと思いました。
――タイトル初挑戦です。
服部 まだ実感がわかないですが、藤井(聡太)棋聖と戦えるのはすごくうれしいことだと思います。
――藤井棋聖戦に向けた抱負をお願いします。
服部 タイトル戦に出るからには盛り上げたいと思っています。
【敗れた羽生九段の談話】
――序盤から流れ的にはかなり積極的に指されていた印象でしたが、いい形で進められたのではないですか?。
羽生 終始ずっと難しい気がしていました。駒がぶつかったところから終盤まで、ずっと際どい局面が続いていたような気がします。
――夕方以降も優勢な局面が続いていたようでした。
羽生 △7九銀(114手目)と打たれたときの応接がちょっとどうだったか。間違えたような気がします。
――一分将棋の終盤で▲5一飛(143手目)と打っていったあたりはいかがでしたか。
羽生 そうか、詰んでいたんですね。ひどかったです。上が抜けてしまったのかと思って。王手を掛けられたときにどちらに逃げればいいかわからないまま指していて。最後、ぴったり勝ちがあったとは気づかなかったです。
――本局を振り返って。
羽生 細かいところでの精度を上げていかないといけないなという課題が残りました。
――今後の抱負をお願いします。
羽生 一局一局の積み重ねなので、これからも変わらず全力で取り組みたいと思います。
(琵琶)
藤井聡太棋聖に服部慎一郎七段が挑戦するヒューリック杯第97期棋聖戦五番勝負の日程と対局場は以下の通りです。(銀杏)
第1局:6月4日 (木) 龍宮城スパホテル三日月 (千葉県木更津市)
第2局:6月19日(金) 日光金谷ホテル (栃木県日光市)
第3局:7月1日 (水) 沼津御用邸東附属邸第1学問所 (静岡県沼津市)
第4局:7月8日 (水) ホテルニューアワジ (兵庫県洲本市)
第5局:7月22日(水) 高志の宿 高島屋 (新潟県新潟市)