おはようございます。本日9時より、第89期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第1局(主催:産経新聞社、特別協賛:ヒューリック株式会社)が兵庫県洲本市(淡路島)「ホテルニューアワジ」にて行われます。
第1局の先後は振り駒で決められます。
立会人は谷川浩司九段、副立会人は斎藤慎太郎七段、記録係は桝田悠介三段、産経新聞紙上の観戦記は本間博六段が担当します。
ホテルニューアワジでは、下記の通り大盤解説会が行われます。
日時 2018年6月6日 14時~
場所 ホテルニューアワジ
解説者 斎藤慎太郎七段
聞き手 村田智穂女流二段・長谷川優貴女流二段
参加費 1500円(ドリンク付)・3000円(日帰り温泉入浴・ドリンク付 ※通常3300円)
問合・申込 「ホテルニューアワジ」 TEL:0799-23-2200
(7時頃、ホテルニューアワジから見える風景)
(雨が降っている)
(翔)
(ホテルニューアワジの木下紘一会長のあいさつ)
(拍手を贈る豊島将之八段。このあと、羽生善治棋聖とともに退席した)
(棋士による見どころ紹介。角換わりを予想する声が多かった)
(立会人の谷川浩司九段)
(井上慶太九段)
(大盤解説会聞き手の村田智穂女流二段と長谷川優貴女流二段。棋聖戦観戦ツアーの指導対局も担当する)
(副立会人の斎藤慎太郎七段が谷川九段の話に耳を傾ける)
(谷川九段と井上九段は、若松政和七段門下の兄弟弟子)
「最近の豊島さんは、先手ならこれ、後手ならこれ、と決めていて序盤はほとんど時間を使いません。羽生棋聖は相手の消費時間に合わせるところがあるので、始まって30分ぐらいでどんどん進んでいくのではないかなと思います。また昨日の将棋(王位戦挑戦者決定戦▲羽生-△豊島)もそうでしたけど、最近は角換わり腰掛け銀の将棋が多くなっています。第1局もその戦型になるかどうか、というのがひとつの見どころではないでしょうか」(谷川浩司九段)
「おふたりとも本当に大変なスケジュールでお疲れかと思います。明日からの熱戦を私も期待しておりまして、昨日と同様に角換わり腰掛け銀をされるのではないかと予想します。そう思う理由は、おふたりとも優しい方ですけど勝負師ですので、羽生棋聖のほうは昨日の借りを同じ戦法で返したい、豊島八段のほうも角換わりで連勝となればかなり自信を持ってこの五番勝負を進められる、という思いがそれぞれあるだろうと」(斎藤慎太郎七段)
「角換わりになるのではないかと思いますね。立会人、副立会と最高のメンバーで淡路島に来ました。早い戦いになると予想されますので、大盤解説会のほうも早くにお越しいただければと思います」(井上慶太九段)
「私も先生方と同じく角換わりを予想しています。盤面全体で戦いが起こるような、あちこちで火花を散らすような、そういう将棋が見たいと思っています」(長谷川優貴女流二段)
「明日は先後も注目です。先生方は角換わりを予想されましたけれども、皆さまもぜひ予想してみてください」(村田智穂女流二段)
前夜祭は20時頃に終わりました。明日は9時対局開始です。
(翔)
(花束贈呈)
◆羽生善治棋聖
「これだけ多くの方に前夜祭にご参加いただいているということで、これも地元の皆さまの四半世紀にも近い活動のおかげだと思っております。ホテルニューアワジに来ると棋聖戦シリーズが始まるんだなぁということを実感します。豊島さんとは昨日も顔を合わせていまして、しばらくは一緒ということになりそうです。最近は若い世代の棋士と顔を合わせることが多くなりましたが、そういう中で自分なりの進歩を見つけていければと考えています。明日は現地大盤解説会も行われますが、皆さまに喜んでいただけるような将棋が指せるように、自分なりに力を尽くしていければと思っています」
◆挑戦者・豊島将之八段
「私はいま兵庫県尼崎市に住んでおりまして、兵庫県で対局できることを嬉しく思っています。ホテルニューアワジさんには対局でも1回うかがいましたし、それ以外の用事でも何度もうかがっていて、今回も非常に楽しみにしております。羽生棋聖とは昨日も対局することができまして、これからも対局する機会が増えます。自分にとっては盤を挟める時間がとても幸せなことだと思っていますので、自分のよいところを出して熱戦にできるように精一杯頑張っていきたいと思います」
(会場は例年より多くの参加者でいっぱいだった)
(浦上雅史・洲本ライオンズクラブ会長による乾杯)
(写真=翔、書き起こし=虹)
◆久米脩資・淡路島棋聖戦実行委員長
「淡路島での棋聖戦というのは、1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災の復興事業のひとつとして、産経新聞さんと日本将棋連盟さんにお世話していただいて開催したというわけであります。回を重ねるとともに前夜祭参加者が増えて嬉しく思っております。年に一度このように開催されますので、今後ともご支援いただけたらと思います」
【歓迎あいさつ】
◆吉村文章・兵庫県淡路県民局局長
「羽生善治永世七冠におかれましては、1996年の七大タイトル独占に始まり、永世七冠達成、国民栄誉賞受賞と次々に将棋界の歴史を塗り変えられてこられました。その快挙を、淡路島をあげてお祝い申し上げたいと思います。そして豊島将之八段におかれましては、兵庫県在住とお伺いしております。地元兵庫県としまして、本当に歓迎したいと思います。また一昨年はJT杯優勝、昨年は王将戦挑戦、そして昨日は王位戦で羽生永世七冠に勝利なされたということで、明日からの五番勝負は将棋ファンが大きな関心を持って見つめております。その第1局をこの淡路島で開催できるというのは、地元にとって本当に嬉しいことでございます。ありがとうございます。23年にわたり淡路島で棋聖戦が行われまして、おかげさまで阪神淡路大震災から元気に復興いたしました。年間1300万人の観光でにぎわう島となりました。本日は御食国(みけつくに)である淡路島の食を存分に堪能していただきまして、明日からの勝負に備えていただければと思います」
◆齋藤勉・産経新聞取締役副社長大阪代表
「今年からタイトル戦名が少し変わりました。『ヒューリック』と冠につきますけれども、これは不動産デベロッパーのヒューリック株式会社さまに今年から特別協賛をいただくためでございます。産経新聞も一段と将棋界に尽くしてまいりたいと思いますので、これを機に応援のほどをよろしくお願いいたします。淡路島は『国生みの島』と申しますが、産経新聞では5年前からいろんなテーマで神話の連載を続けておりまして、そういう面では淡路島との深い縁を感じます。
羽生棋聖は去年、棋聖戦で10連覇を達成されました。前人未到の永世七冠も達成され、国民栄誉賞も受賞されました。本当におめでとうございます。これまでにタイトルを99期獲得されて、100期目を世界中が注目しております。豊島八段は関西棋士のトップでございます。非常に若く、女性からのファンも多い。そういう応援を背に受けて頑張っていただければと思っております。昨日は東京で対局がありましたけれども、その疲れも見せず淡路島に来てくださいました。今日は美味しい物をたくさん食べて英気を養っていただければと思います」
◆井上慶太・日本将棋連盟常務理事
「前夜祭にこんなにたくさんの方にお越しいただき……壇上に立ってみると本当に凄いですね、年々人数が増えているなと。女性の方の参加者も増えて、やはり羽生さんと豊島さんの人気かなぁと思います。このおふたりは本当に忙しくて、羽生棋聖は名人戦を戦っておられる、豊島八段はこのあと始まる王位戦の挑戦者になられました。昨日テレビを見ておりましたら、ベラルーシの9歳の女の子が将棋好きということで日本に来ておられました(参考記事)。その中で羽生棋聖が女の子に指導対局をする場面がありました。対局の合間に将棋界の顔として、本当にいろいろとご尽力いただいているなと感謝申し上げたいと思います。また豊島八段は今年に入って、対局、対局、また対局と、ずっと対局が続いていて、なんか同じ相手とすぐ指すのが好きなんかなぁと(会場笑)。細いけど体力があるんだなと思います。棋聖戦が始まると、あぁ6月なんだなと感じます。明日からの熱戦を見守りたいなと思います」
(写真=翔、書き起こし=虹)