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2020年6月

2020年6月28日 (日)

感想戦

感想戦は19時20分に終了しました。以上で本局の中継を終わります。ご観戦いただきまして、ありがとうございました。第3局は7月9日(木)に東京都千代田区「都市センターホテル」で行われます。

Dsc_1925_2(藤井聡太七段は開幕2連勝。棋聖獲得まであと1勝)

Dsc_1945(渡辺明棋聖はカド番に追い込まれた)

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(牛蒡)

渡辺棋聖インタビュー

――本局を振り返っていかがでしたか。

渡辺 △5四金(42手目)からちょっと大胆な指し方でこられて。均衡が取れるように指してたつもりだったんですけど、一気にバタバタとダメになってしまったような内容でした。

――△5四金は予想されていなかったでしょうか。

渡辺 前例もあまりない将棋だと思うので、互角ぐらいのわかれを探してはいたんですけど。

――△3一銀(58手目)のあたりはいかがですか。

渡辺 ▲6六角(57手目)に△3二金かなと思ってたので、△3一銀は全然読めてなかったですね。そのあとやっていたら、いきなりダメになってしまったので。▲3四歩(61手目)と取り込んだあたりが悠長だったのかなというのは、いま思っていることですけど。

――カド番で第3局を迎えることになりました。

渡辺 今日はちょっと差がついてしまったので、もう少しいい将棋を指さないといけないなと思います。

――名人戦と棋聖戦のダブルタイトル戦で、研究や体調管理は大変ではないですか。

渡辺 (名人戦第3局と本局は)中1日だったんですけど、睡眠も予定してたとおりに取れて、今朝起きた段階では体調がよかったので、体調管理や研究などもうまくこなせたと思います。

(牛蒡)

藤井七段インタビュー

――本局を振り返っていかがでしたか。

藤井 序盤はやってみたかった作戦で、積極的に動いていけたかなと思っていたんですけど、こちらの玉が薄い形なので、難しい局面が続いたと思っています。

――やってみたかった作戦とは△5四金(42手目)から△4二飛(44手目)のことでしょうか。

藤井 △5四金はその局面になればやってみたい手でした。5三歩型だと部分的にある手で、本譜の形でもやってみたかったです。

――作戦的にうまくいったということでしょうか。

藤井 △5四金のあとも難しいと思っていました。

――午後に入って激しい攻め合いになりました。

藤井 途中から激しくなったんですけど。うーん、▲6六角(57手目)に△3一銀(58手目)と受けたんですけど、△3一銀では、あまり自信がある感じではないのかなと思いました。

――これで2連勝。奪取まであと1勝になりました。

藤井 ここまでいい状態で指せているかなあと思うので、次戦も気負わずに臨みたいと思います。五番勝負だと5局でひとつの勝負だと思っているので、次もいままでと変わらない気持ちで臨めれば。

――和服での対局についての感想を教えてください。

藤井 和服は長時間の対局では初めてで、どんな感じかわからないところもあったんですけど、実際着てみると思ったより快適というか、普段どおりやれたのかなと思っています。

――7月から王位戦七番勝負も始まり、大変になると思いますが。

藤井 今後も対局が続くので、休むときはしっかり休んで、体調を崩さないようにしたいと思います。

(牛蒡)

藤井七段が第2局を制す

202004_090_2この局面で渡辺明棋聖が投了し、藤井七段の勝ちとなりました。終局時刻は18時38分。消費時間は、▲渡辺明3時間50分、△藤井聡3時間55分。藤井七段は2連勝です。

後手勝勢

202004_078先手は粘りづらい形です。後手勝勢で終局間近と見られています。

(牛蒡)

鬼辛抱

202004_072△4七歩成(図)も厳しい手です。▲同金は△5八角、▲同飛は△6九角で先手は収拾がつきません。実戦は▲5九金の鬼辛抱でした。と金を残すのはつらいですが、後手もおそらく読みにない手のはずで、読み直しが求められそうです。藤井七段の残り時間は11分。

Dsc_1796

後手優勢

202004_069難解な戦いが続いていましたが、図で△7五桂が厳しいとの評判。「痛い」「それは痛い」と検討陣の誰もがつぶやいています。先手は65手目▲9六歩で△9五桂を消しましたが、△7五桂が実現しては端の1手があまり生きません。

実戦でも△7五桂が指されました。後手が抜け出して優勢です。17時43分、△7五桂が指された時点で、残り時間は▲渡辺43分、△藤井13分。

Dsc_1737(藤井七段)

(牛蒡)

意表の一手2

202004_05842手目△5四金に続き、持ち駒を受けに使う△3一銀(図)でも、控室で驚きの声が上がりました。あまり見ない受けの形で、浮かびづらい手です。50手目△4五銀で豪速球を投げたはずが、△3一銀で突然のチェンジアップ。緩急をつけた指し回しです。これで先手の攻めをしのげるなら後手は桂得が残ります。

ABEMAでは、屋敷九段と阿部健七段が中継で意見交換を行いました。「まだまだ難しい攻防が続きそう」と屋敷九段。「藤井さんは難しいと思っているのではないでしょうか」と阿部健七段。

Dsc_1784(渡辺棋聖の読みに△3一銀はあったかどうか)

(牛蒡)

午後の控室(16時25分)

佐藤康九段、鈴木九段、中村修九段が検討を進めています。佐藤康九段が検討の中心です。飯島栄治七段と伊藤真吾五段も控室を訪れました。飯島七段はサンケイスポーツの局後解説を担当します。

Dsc_1884(飯島七段=左と伊藤真五段)

(牛蒡)

3手に2時間17分

202004_050藤井七段が△4五銀を決断しました。ここ5手の消費時間は次のとおり。

46手目△7三桂 50分
47手目▲3五歩 2分
48手目△6五桂 58分
49手目▲6八銀 2分
50手目△4五銀 29分

藤井七段は直近3手を指すのに2時間17分を消費しました。これは持ち時間の半分をゆうに超えます。この連続長考に各2分で返す、渡辺棋聖の決断のよさも相当なものですが、藤井七段の時間の使い方には驚かされました。ちなみに控室では、図で先手にしっくりくる順が見つかっていません。

Dsc_1722(昼食休憩明け直前の藤井七段)

(牛蒡)

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