悩ましい局面
渡辺大夢五段が控室へ。図の局面で「ぱっと見だと後手の手が難しいですけど、攻めるしかないと思います」とのこと。ストレートな順は(1)△4五銀▲2二角成△同金▲4五銀△同金▲4三歩△同飛(参考図)。そこで先手に手があるかどうか。後手はこの変化を軸として、△4七歩や△8六歩▲同歩△8七歩を組み合わせたいですが、最後の1歩を渡すことになります。後手は後手で悩ましいところです。
「先後どちらも持ちたくないです。ただ、いつでも4五桂が取れるという状況では、後手が何とかできるとしたものですが」(渡辺大五段)






藤井七段の42手目△5四金をきっかけに、互いに引くに引けない状況になったようです。図の▲3五歩以下、攻め合いは避けられそうにありません。佐藤康九段は「ノーガードの打ち合いになりそうです」と話し、一例として△6五桂を挙げました。













図の局面で渡辺棋聖が9分使って昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は、▲渡辺明1時間41分、△藤井聡53分(持ち時間は各4時間)。再開は13時です。


11時21分、藤井七段は金を4三から5四に上がりました。囲いを崩してでも4五桂を取りにいく、力強い一手です。控室では予想されておらず、佐藤康九段は「ええーっ」とさけびました。


