2012年9月 3日 (月)
後手に疑問手か
先手の▲8六歩に対して本田女流二段は△6五歩(左図)と仕掛けます。
この手が指された瞬間、「そこ」、「そこ!」、「そこ?」と控室で同じ言葉が重なりました。
▲6五同歩に△同桂で銀の両取りを狙ったものですが、自玉にキズを作るだけにリスクの高い手のようです。以下▲3五歩△4四銀(右図)まで控室の予想通りの進行。ここから▲6五歩△同桂▲6六銀右△7七桂成▲同桂△3五銀▲5六飛(参考図)まで進めて、高崎六段は「こうなると後手が嫌な展開」として検討を打ち切りました。さらに検討が進められていますが、後手が難しい状況にあるようです。
実戦は48手目から▲3四歩△5五銀と進み「中央を制した後手の模様がいい」と控室の見解は再び後手持ちに傾いています。
(八雲)
15時過ぎの控室
先手時間切迫
里見女流四冠、時間切迫
緊張感が高まる
直前まで千日手模様と見られていた本局ですが、里見女流四冠が▲5七銀から銀の立て直しを目指したことで局面はにわかに緊張感を増しています。△4五歩に対して▲5六銀なら激しくなる順が予想されています。
―以下棋譜コメントから抜粋―
▲5六銀に(1)△4四銀は飛車先が重くなるので、▲2四歩から歩交換されて後手自信なし。そこで(2)△4六歩に、▲4五桂△4四銀▲2四歩△4五銀▲2三歩成(参考図)といった激しい応酬が検討されている。
(八雲)