2020年6月19日 (金)

200619_084図の△6五銀は気づきづらい手ですが、4五桂や1九香の入手を見こし、先手陣を上から押しつぶせる可能性のある手です。先手はうまく受け止める手を発見しなければなりません。苦しい時間ですが、ここを乗り越えれば、と金攻めで勝ちやすくなります。終盤戦の勝負どころといえます。

200619_05555手目の局面は分岐点でした。△2一同飛で面倒を見る指し方もありそうでしたが、中村女流三段は△4一飛でさばきを目指しました。

200619_067さらに進んで67手目。渡辺女流初段は2六の飛車取りを放置し、▲5四歩で勝負しました。△2六桂で飛車損にはなりますが、先手も8八角の利きが通り、5筋攻めもかなり強力です。力のこもった中盤戦です。

Img_1018(中村真女流三段)

200619_049図の局面で中村女流三段が31秒使って昼食休憩に入りました。休憩時間は12時から40分間。消費時間は▲渡辺50分、△中村1時間9分(持ち時間は各3時間)。昼食注文は両者ともなしです。

Img_1070(休憩中の対局室)

Img_1072(同じく盤面)

200619_033戦型は中村女流三段の四間飛車。両者の過去の対戦もすべて四間飛車でした。10時51分、図の▲3五歩で戦いが始まりました。△6二角から△4五歩が見えていたので、このタイミングで開戦するのは自然です。

Img_1026(渡辺女流初段は先手番らしく積極的に動いた)

振り駒は連盟職員が行いました。中村女流三段の振り歩先で、結果はと金が4枚。渡辺女流初段の先手とです。

Img_1021(中村真梨花女流三段)

Img_1029(渡辺弥生女流初段)

Img_1016(朝の様子。着手後に手元のボタンを押して時間を計測する)

第10期リコー杯女流王座戦(主催:株式会社リコー、特別協力:日本経済新聞社)二次予選から中村真梨花女流三段-渡辺弥生女流初段戦を中継します。勝者は本戦に進出します。
2020年6月19日(金)10時から東京・将棋会館(飛燕の間)で指されます。持ち時間はチェスクロック使用で各3時間。記録係はつけず、リコーと日本将棋連盟が共同開発した「リコー将棋AI棋譜記録システム」(リコー棋録)で棋譜をとります。

本局の棋譜中継とブログ更新は牛蒡、写真撮影は八雲が担当します。よろしくお願いします。

【棋譜中継ページ】
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/kifu/10/joryu_ouza202006190101.html