五番勝負第5局は伊藤女流二段が勝ち、シリーズ成績を2勝2敗1持将棋としました。伊藤女流二段は初タイトルまであと1勝、加藤女流王座はカド番に立たされました。注目の第6局は2016年1月6日(水)、東京・将棋会館で行われます。
※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しました。
五番勝負第5局は伊藤女流二段が勝ち、シリーズ成績を2勝2敗1持将棋としました。伊藤女流二段は初タイトルまであと1勝、加藤女流王座はカド番に立たされました。注目の第6局は2016年1月6日(水)、東京・将棋会館で行われます。
※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しました。
―― 一局を振り返っていかがでしょうか。
伊藤 あまり自信を持って指していたわけではないのですが……ずっと難しいと思って指していました。飛車が取れたときは、よくなっているのではと思って。
―― これで2勝2敗。第6局が行われることになりますが、意気込みをお聞かせください。
伊藤 タイトル戦は初めてなのですが、まさかこうなるとは全然予想していなかったので、最後まで指すことができてすごくうれしいです。第6局は体調を整えて全力で臨みたいと思います。
―― 一局を振り返っていかがでしょうか。
加藤 序盤はさすがにいいと思ったんですが、そのあとが勢いがよすぎたというか、冷静になればよかったなと思って。悪くしたと気づいたのが遅すぎて……。そのあともいろいろと読み抜けがあったので、反省の一局です。
―― 第6局への意気込みをお願いします。
加藤 第6局は年明けになるんですが、体調などを整えて、全力でやりたいと思います。
※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しました。
加藤女流王座は57分の大長考で▲5八同飛と歩を払いました。残り時間は11分。△6七金と数を足す攻めが厳しく、先手が苦しい形勢です。
※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しました。
伊藤女流二段が△4二銀(1図)と受けたところで、加藤女流王座の指し手が注目されました。有力と見られていたのは▲3四桂。Twitter解説の神谷八段が指摘していました。
実戦は1図から▲5九桂と桂を受けに使いましたが、△7八銀成▲同金△5八歩(2図)が鋭い攻めです。検討陣は「先手が苦しい」との見解です。
15時30分ごろ、控室には新聞解説の清水市代女流六段をはじめ、飯野愛女流1級、阿久津主税八段、室谷由紀女流二段が訪れました。検討に熱が入っています。
(控室の様子。右には対局中の先崎学九段の姿も)
(新聞解説を務める清水女流六段=左と、観戦記者の小暮さん)
(左から飯野七段、飯野女流1級、遠山五段。飯野姓の2人は親子であり師弟)
(遠山五段、田中寅九段が検討する様子を、後ろから阿久津八段が眺める)
(室谷女流二段=左は、飯野女流1級と検討を見ている)
※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しました。
伊藤女流二段が△5六角で先手陣に迫ると、加藤女流王座も▲8六角(図)と王手に打って切り返しました。事前に▲2三歩と垂らしておいた効果で、後手玉が狭くなっています。将棋プレミアムで解説を務める広瀬八段は、△7五銀という受けを予想していました。歩頭の銀打ちは驚きますが、▲同歩で1手の余裕を得ることで、以下△7八銀成▲同金△6七歩成▲7四歩△6四歩と、6筋で歩を使って角筋を受けることができます。
※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しました。
昼食休憩明けから、加藤女流王座は▲6五銀(1図)と強く角に働きかけました。持ち駒の銀を投資して後手の桂をさばかせるため、感触は決してよくはありません。1図から△同桂▲同歩△5二飛と進んで2図。
この飛車回りがうまい切り返しで、控室では後手ペースとの評判です。実戦は2図から▲6四歩△5一飛▲6三歩成△6六歩と進みました。後手はと金を作られましたが、6筋に歩が利くようになったため、△6六歩が厳しい反撃です。先手がより厳しい攻めで返せるかどうか。激しい攻め合いの終盤戦が予想されます。