2014年6月25日 (水)

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鈴木女流二段が△5二金寄(図)と寄り金取りを受けた局面で、室田女流初段が時間を使っている。駒割りは先手が角を取れば、▲角△金桂の二枚換えで後手がやや駒得。しかし馬が守りに利いた美濃囲いはとにかく遠く、後手から先手陣に迫る手段がない。しばらくは先手が一方的に攻める展開が予想される。先手は駒も豊富で攻めが切れる心配も少なく、後手は耐えてチャンスを待つことになる。後手にとってはつらい展開だ。

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鈴木女流二段は前期の一次予選で北尾まどか女流初段(現女流二段)と対戦。一手損角換わりから右玉に構え、先手の攻めに対しうまくカウンターを合わせた。

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二次予選では長谷川優貴女流二段と対戦した。長谷川女流二段の角交換振り飛車に対し、飛車先を保留して玉頭位取りで対抗した。難解な中盤、終盤を制したのは鈴木女流二段。2期連続の本戦進出となった。

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※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しています。

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室田女流初段は前期の一次予選で山田久美女流三段と対戦。本局と同じく中飛車からの対抗形になった。相穴熊から室田女流初段は玉頭で盛り上がっていく趣向を見せたが、飛角のさばきが思うようにいかず苦戦に陥った。結果は敗れて一次予選敗退。

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今期の一次予選は黄晟佳アマを破り、枠抜けの一番で野田澤彩乃女流1級と対戦。石田流から強襲をかけてそのまま攻めきった。

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※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しています。

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飛車をさばき合う激しい展開から、▲7五同飛(図)と飛車がぶつかり大決戦になった。実戦はここから△同飛▲同角△5三銀▲7七桂△6九飛▲6一飛と進行。

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飛車を打ち合っての攻め合いだが、こうなると美濃囲いの遠さがものを言うのが対抗形の常識。先手ペースで推移していることは間違いない。将棋では「模様よし」から具体的な戦果に結びつけるまでが、最も難しい技術のひとつと言われる。本局は室田女流初段がうまく指したようだ。

今日の千駄ヶ谷は雨。関東地方では激しい雷雨の予報があり、雷鳴が轟いている。
鳩森神社には茅の輪が出されていた。6月30日は「夏越の大祓」という神事があり、茅の輪をくぐることで災厄を免れることができると言われている。

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※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しています。

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12時10分、鈴木女流二段が△7五飛(図)と歩を取った局面で、室田女流初段の考慮中に昼食休憩に入った。消費時間は▲室田45分、△鈴木1時間24分。対局は13時に再開される。


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Imgp9534(本局の使用駒は富月師作、錦旗書の盛上駒)

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※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しています。

東京・将棋会館1階は販売コーナー、2階は将棋道場がある。書籍のコーナーには今回鈴木女流二段が使っている「一直線穴熊」の定跡書もあった。2階の道場は毎日多くの人でにぎわう。道場では月に3回、土曜・祝日に不定期で指導対局を行っている。先一か月の指導対局スケジュールは下記の通り。

・6/28(土)真田圭一七段
・7/5 (土)豊川孝弘七段
・7/12(土)佐々木慎六段
・7/21(月・祝)和田あき女流3級

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※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しています。