本局の明暗を分けたポイントは序盤にありました。まず1つ目は、28手目△4三銀と上がった局面です。
本譜は真田女流二段が▲3八飛と寄りましたが、ここでは▲2六歩△5二金左▲2五歩△3三角(参考1図)と、2筋の歩を伸ばす順も有力でした。参考1図は居飛車が手得していますが、囲いの堅さに差があるのでバランスの取れた局面です。
その数手後、30手目△6四歩と突いた局面が2つ目のポイント。
ここで真田女流二段が▲2五銀と出ましたが、▲7七桂と跳ねて△6五歩の筋を受ける手が勝りました。▲7七桂以下△6二飛▲2五銀△4五歩▲3四銀(参考2図)の変化は難解。
一例として参考2図以下△3四同銀▲同歩△4六歩▲同角△6五歩▲同桂△同飛▲3三歩成△3七歩▲2二と△3八歩成▲6五歩△4九と(参考3図)と一直線に攻め合う順が並べられました。
参考3図は里見女流四冠も「自信がない」と語り、参考2図で「△5四銀とかわすつもりだった」との感想を残しました。
これには真田女流二段も「▲2五銀では▲7七桂でしたね」と納得。どうやら3六の銀をさばくことを急ぎすぎたのが形勢を損ねた原因のようです。
(感想戦は16時38分に終了しました)