2013年7月 6日 (土)

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▲8八玉と入って、先手玉が少し安定しました。

「苦しいことには変わりはないけど、急には決まらないですね。馬を寄った手がどうだったかなあ」(大島七段)

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大島七段の「馬寄り」とは上図のこと。6四馬を5四に寄ったところです。

「▲6五角△同馬▲同金△4五竜。竜を活用できて味がいいんですけど、馬を消されたので少しわかりにくくなったと思います。桂得ですが、攻め急ぐと逆転されますよ」(大島七段)

千葉女流四段としては中井女流六段の焦りを誘いたいところ。まだまだ終盤のねじり合いが続きそうです。

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8四香が刺さりました。歩切れの先手は受けが難しいです。千葉女流四段は▲8五銀と打ちましたが、△同香▲同竜△8四銀が味のいい手順。

20130706tibanakai68後手の駒が手順に増えてきました。7五歩をいつでも取れるので、玉頭の制空権を握る見込みがついています。形勢は中井よしです。

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(大島七段が検討していた継ぎ盤。実戦も同じ局面になった)

※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しました。

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図は▲6八金右と金取りを受けた局面。ここで△6四馬から玉頭戦にするのが本線と見られていましたが、「▲7五歩△7四歩▲6六金は自信がありません。後手は攻め駒が不足していますからね」と大島七段。

しかし、ここで中井女流六段が柔らかい手をみせました。△2九竜▲7九銀△2五竜(下図)。

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遅いようでも、竜を中段に活用したのが本筋の一手。狙いの△6四馬が厳しくなっています。

「▲4五歩と止めたいんですけどね、貴重な歩なので打てないんですよ。例えば▲4五歩△6四馬の局面(参考図)はしびれています」(大島七段)

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▲7五銀は△同馬▲同竜△7四香、▲7五歩は△8四香があります。

竜を戦線に参加させた後手に対して、先手がどう玉頭を手厚くするか。千葉女流四段の腕の見せ所です。

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(対局再開時の千葉女流四段。手厚い棋風を発揮できるか)

※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しました。

 

Imgp3078_3本日の対局立会人は大島映二七段です。現局面について見解を伺いました。

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「後手は収まっては損だと見て攻めているんですね。しかし、駒損の中でどれほど手が続くか……先手は▲7七玉から逃げれば玉が広いですからね」(大島七段)

※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しました。

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千葉女流四段は▲6八玉と上がりました。▲6八金と受ける手も考えられたところですが、△7八銀の筋(参考図)が気になったのかもしれません。

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▲7八同金は△6九馬▲4八玉△7八馬、▲5八金寄は△4六歩▲4八歩△5七馬(▲5七同金は△6九角成までの詰み)です。△7八銀の他にも△4六銀(△3七銀成から王手飛車の狙い)もあるので受けにくいと判断した可能性があります。

実戦は▲6八玉に△4三歩▲8四竜△8三歩▲8六竜△4六銀!

銀で遊び駒の桂を取りに行くので驚きの順です。

20130705tibanakai44▲5六金△3七銀成▲同桂△同馬▲1八飛(下図)

ここでどう攻めるか。▲7七玉と逃げられると玉が広いので、後手は急いで攻める必要があります。中井女流六段の構想に注目です。

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(猛攻している中井女流六段。銀桂交換の代償を得られるか) 
 ※この記事の写真はPENTAX K-30で撮影しました。

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千葉女流四段は59分の考慮で▲4四歩。狙いは竜を作ることです。中井女流六段はここで長考に沈み、36分使って昼食休憩入りしました。

再開後の一手は△4四同歩。以下、▲4一飛△6二玉▲4四飛成と進んで下図。

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馬をどこに逃げるかと思われましたが……△1四角!

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端角にすべてを託しました。この角が働けば後手よし、逆にいじめることができれば先手よし。飛車VS角の戦いはどちらが制するでしょうか。