2014年11月13日 (木)

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Img_9123本局の棋譜。

第4期リコー杯女流王座戦五番勝負第2局の中継は以上で終了いたします。
ご観戦誠にありがとうございました。

第3局は11月29日(土)大阪市「芝苑」で行われます。
どうぞお楽しみに。

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Img_89642連勝でタイトル獲得に王手をかけた加藤女王。

【加藤女王インタビュー】
―― 昨年敗れた場所で勝利を挙げました。
「昨年に続いて対局させていただいたのですが、地元と言うこともあって勝ちたい気持ちがあったので、勝つことができて良かったです」
―― 一局を振り返っていかがでしたか。
「昼食休憩に入るまでは、西山さんの構想がなるほどと感心してしまって、先手番なのに苦戦かなと感じていました。再開後は少しペースを握れたかと思ったのですが、ちょっと無理をしてしまって、ものすごく危なくなってしまって……。最後までよくわからない将棋でした」

Img_89812連敗と追い込まれた西山奨励会二段。

【西山奨励会二段インタビュー】
―― 本局を振り返っていかがでしたか。
「前局の反省を生かして、序盤で離されないように頑張っていたつもりだったのですが……。全力を出せたとは思いますが、ちょっと力が足りなかったです」

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▲3一銀(投了図)を見て西山奨励会二段が投了しました。後手玉は△1三玉▲2三金△同竜▲同角成△同玉▲2二飛以下の詰みです。終局時刻は16時58分。消費時間は▲加藤2時間51分、△西山1時間53分。五番勝負は加藤女王が開幕から連勝、復位にあと1勝と迫りました。

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図の▲7五金で先手玉が安全になり、控室では「さすがに先手が勝ちになった」と言われています。

Img_8906徳川慶喜公が自らの手で植えたと伝わる「台湾竹」。秋に筍が出てくる珍しい竹とのことだ。

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図は16時20分過ぎの局面。消費時間は▲加藤2時間44分、△西山1時間35分。
形勢はまだ先手が残していると見られていますが、差は広がっていないようです。「残り時間の差を考えると、先手がつらいかもしれません」と渡辺二冠。加藤女王の踏ん張りどころです。

16時30分過ぎ、実戦は図から▲6五同金△同角▲7六歩と進みました。
「なるほど、△7六同角なら▲8七銀打と打って先手をとってしのごうということですね。これは冷静な対処です。加藤さんがうまく余したかもしれません」(渡辺二冠)

Img_8929静岡市では12月初旬に「国際将棋フォーラムin静岡」が開催される。

116図は15時55分頃の局面。消費時間は▲加藤2時間33分、△西山1時間17分。
控室で「先手が勝勢に近い」と言われていた局面から、西山奨励会二段が粘りを見せ、決め手を与えずに頑張っています。先手もここで決め損ねると、嫌な展開になってきます。ここ数手が終盤の勝負どころになりそうです。

Img_8638出来上がったばかりの女流棋士会カレンダー(2015年版)。現地にて販売されている。

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「ここは決めどころですね。先手は△7六角のラインをしっかり防いで、一手空けば▲5四銀や▲6五桂などから寄せに出られます。第一感は手厚く▲7七金と打って勝ちたいです」(遠山五段)

Img_8769対局室のある明輝館入り口に飾られている書。伊藤博文公の書で、「揚明輝」(秋の月は輝きを発揚する)と書かれています。

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図は14時50分頃の局面。前記事の図は後手が△1四歩と突いて先手の角を4八に追ったところでしたが、結果的に図の▲8四角でさばかれてしまいました。
控室の遠山五段は「一時は差が詰まったように見えた局面もありましたが、現在は角がさばけたのが大きく先手優勢だと思います。まだ難しいところもありますが……」とのこと。また、Twitter解説の佐藤和六段も先手優勢と見解が一致しています。

■Twitter解説■
佐藤和俊六段>(▲8四角は)絶好の飛び出しです。△7四金なら▲6二角成と切るのでしょう。(先手有利)

Img_895015時頃の検討の様子。近藤六段と遠山五段が継ぎ盤を挟んでいる。