2021年10月21日 (木)

最後に淡路仁茂九段、小林裕士七段、服部慎一郎四段、長谷川優貴女流二段による見どころ紹介が行われました。

見どころ紹介

長谷川 まずは戦型予想からお尋ねしてもよろしいですか。

淡路 最近の両者の対局を見ていますと、相掛かりか角換わりのどちらかだと思います。相掛かりのほうが7割ぐらいです。非常に緻密な戦いなので、相掛かりの最新形が出てくるのではないかと。

淡路仁茂九段

小林 私も相掛かりが本命です。データベースで両者の過去の対局を見てきましたけど、出だしは先後関係なく飛車先の歩を突き合っていていつも同じです。そこからだと、相掛かりと角換わり以外は考えにくいですね。

服部 ここまで両者の対戦は相掛かりが多くて、直近だと5局連続です。なのでもしかしたら、豊島先生が作戦を変えて角換わりを採用するのではないかと予想します。本命は角換わりです。

長谷川 淡路先生と小林先生は、本命は相掛かりとのことでした。

長谷川優貴女流二段

淡路 彼の意見を聞いて、なるほどなぁと思いました。それもありうる。

長谷川 検分の様子はいかがでしたか。

淡路 スムーズに終わりました。豊島竜王も仰っていましたけど、対局室から一歩外に出ると素晴らしい庭園が見えます。私も対局のときに思うんですけど、将棋のことばかりを考える中で心を休めたいとか気分転換したいときに、そういう環境にあるのはありがたいですね。

小林裕士七段

長谷川 両対局者の様子はいかがでしたか。

小林 どちらも場慣れされている方なので、落ち着いた様子で淡々と進められている感じでした。普段どおりですね。

長谷川 服部先生はタイトル戦の大盤解説は初めてということで。

服部慎一郎四段

服部 このような大役を任せていただけることは大変光栄なことです。楽しく解説できるよう、頑張りたいと思います。

長谷川 第2局は現地大盤解説会もありますし、新聞解説や各種中継など家からでも見られるようになっています。ぜひ皆さまご覧ください。

(書き起こし:虹/写真:夏芽)

藤井聡太三冠

【決意表明】挑戦者 藤井聡太三冠

「検分で仁和寺さまに伺ったのですが、とても荘厳な雰囲気を感じました。由緒ある素晴らしい対局場で指せることを光栄に思います。明日から対局となりますけど、持ち時間が8時間と長いので、一手一手をしっかりと考え抜いて、よい将棋にしていければと思っています」

豊島将之竜王

【決意表明】豊島将之竜王

「仁和寺対局は3年連続で、私にとっても3年連続となります。対局室が本当に荘厳な雰囲気であることと、そこから一歩出ると非常にきれいな庭園が視界に入ってよい気分転換になることが印象にあります。シリーズは第1局を落としてしまって少し厳しい展開ですが、第2局からまた自分なりに精一杯頑張ってよい将棋を指していければと思います」

前夜祭
(決意表明を終え、両対局者は会場をあとにした)

(書き起こし:虹/写真:夏芽)

京都府知事

【歓迎メッセージ】西脇隆俊・京都府知事

「棋界最高峰の竜王戦が、888年創建の格式高い世界遺産仁和寺で開催されるということは誠によろこばしいことです。また皇室所縁の地でもあり、令和に入って3年連続の開催、誠に意義深いことでございます。将棋界を牽引しておられるおふたりが対戦されるということで、間違いなく名勝負になると、この京都の地において繰り広げていただけることを期待しております」

京都市長

【歓迎メッセージ】門川大作・京都市長

「京都の将棋界の皆さんは20年ぐらい前から、保育園や児童館で将棋教室を開催し続けてくださいました。先達て、文部科学省が全国学力調査の結果を発表しまして、日本の20の政令指定都市の中で、京都は小学生で1位なんです。将棋を学べば勉強ができるようになる、そういうことを証明してくださいました。第2局はぜひ素晴らしい勝負を。そしてますます将棋が盛んになって子どもたちもしっかりと育つよう願っております」

金金
(門川市長の羽織ひもには2枚の金がついていた)

記念撮影
(記念撮影)

記念撮影

(書き起こし:虹/写真:夏芽)

主催者挨拶

【主催者あいさつ】柴田岳・読売新聞大阪本社代表取締役社長

「2週間前に東京で行われた第1局を、皆さまご覧になられたでしょうか。まさに両者一歩も譲らぬ手に汗握る大熱戦の末、藤井三冠が劇的な逆転で初戦をものにしました。総本山仁和寺は3年連続の開催となります。地元京都の皆さま、全国の将棋ファンの皆さまの記憶に残るような素晴らしい名局になることをお祈りします」

清水女流七段

【主催者あいさつ】清水市代・日本将棋連盟常務理事

「竜王戦のご縁を結んでいただきまして、3年連続で番勝負を開催いただきますことを感謝申し上げます。瀬川門跡大僧正猊下、本当にありがとうございます。明日から始まる第2局ですが、第1局とは大きく異なる点がございます。それは、すでに先手後手が決まっている、というところです。両対局者は本局に向けて、より深く、より多く、より緻密に準備を重ねて迎えます。どうぞ皆さま、ご期待、ご声援いただければと思います」

仁和寺門跡

【京都対局代表者あいさつ】瀬川大秀・総本山仁和寺門跡大僧正猊下

「竜王の豊島竜王さま、また挑戦者の藤井三冠さま、このご縁を大切にいたしまして、仁和寺で行われる竜王戦に胸がときめいてございます。対局場となります宸殿ですが、このたび『仁和寺御所庭園』としまして国の名勝に指定されました。それから初めて竜王戦が開催されるわけでございます。誠に素晴らしい明日になると思っております」

前夜祭

(書き起こし:虹/写真:夏芽)